玄関用の補助錠はどれを選べばいい?補助錠の種類と特徴を解説
この記事でわかること
・玄関用補助錠を取り付けるメリット
・玄関用補助錠の選び方
・玄関用補助錠の取り付けの費用
玄関ドアは補助錠を取り付けることで空き巣対策などの防犯性能をグッと高めることができます。
一つのドアに2つの鍵を設置する「ワンドア・ツーロック」は国土交通省の防犯設計指針でも推奨されている有効な防犯手法です。
既存のドアに後付けで設置できる補助錠はさまざまな種類が販売されていますが、正しく選ばないと自宅のドアにつけられなかったり、防犯性が確保できない場合があるため注意が必要です。
この記事では、自宅のドアに合った補助錠の選び方や各タイプ別の特徴、注意点についてくわしく解説します。
なお、補助錠の取り付けは鍵屋でも可能です。防犯面のことも相談できますので、補助錠の取り付けを検討されている方は鍵屋に相談するのもひとつです。
目次
補助錠とは
補助錠とは、メインの鍵の他に、防犯性を高める目的で後から取り付ける鍵のことです。2つ目の鍵を設置することで不正解錠に時間がかかります。
後述しますが、空き巣犯などは侵入に時間がかかればかかるほど諦める傾向があるので、不法侵入対策に有効です。
補助錠はホームセンターやネットショップで購入でき、値段もメインの鍵に比べ安価なので手軽に防犯性を高めることができます。
工事不要で簡単に取り付けられるタイプは賃貸住宅でもドアなどを傷つけることなく設置が可能です。
玄関補助錠のメリット
玄関に補助錠をつけるメリットとしては以下のようなものがあります。
- 空き巣被害を防げる
- 防犯意識の高さをアピールできる
- 子どもやペットの飛び出し防止、認知症高齢者の徘徊防止になる
空き巣被害を防げる
玄関に補助錠をつけると空き巣は2つの錠を解錠しなくてはならず、時間がかかるため侵入窃盗の防止に効果があります。
侵入に時間がかかると判断すれば、空き巣は侵入をあきらめる可能性が高くなります。
警察庁の「住まいる防犯110番」によると何年のデータか明記されていないものの侵入に5分かかると侵入者の約7割(68.5%)、10分以上かかると侵入者の約9割(91.4%)は諦めると言われています。
防犯意識の高さをアピールできる
補助錠のタイプによっては見た目で2つ目の鍵が設置されていることがわかるため、防犯意識の高さをアピールできます。
防犯意識が高いということは、ほかにも防犯ブザーやセキュリティ会社などの対策をしているかもしれないと思わせることができ、ドア以外からの侵入も防ぐ効果も期待できます。
補助錠は自宅のドアのタイプや形状にあったものを選ばないと取り付けられない場合があるので、選ぶ際は注意が必要です。補助錠の選び方についてはこのあとの項目で詳しく解説しています。
子どもやペットの飛び出し防止や認知症高齢者の徘徊防止になる
補助錠をお子様の手が届かない高い位置に設置することで、目を話したすきにドアを開けて出て行ってしまう事故を防げます。
補助錠の中には鍵穴を室内側にも取り付けられる両面シリンダータイプや、サムターン(鍵のツマミ)を取り外せるタイプもあり、子供やペットの飛び出し防止だけでなく、認知症患者の徘徊も防止できます。
玄関用の補助錠の選び方
玄関に設置する補助錠はさまざまな種類が販売されています。選ぶ際は以下のような点に注意して選びましょう。
防犯性の高い鍵を選ぶ
子鍵に小さな複数の凹みがある「ディンプルキー」は、複雑な構造で非常にピッキングしづらく、防犯性が高い鍵です。
子鍵の形状も複雑で、複製も難しいため、万が一紛失したり、盗難された場合でも、すぐに合鍵を作られることはありません。
また、「登録制シリンダーのディンプルキー」であれば、鍵の持ち主以外が勝手に合鍵を作ることはできません。
鍵穴に挿し込む方の鍵(key)のこと。
メーカーによって異なりますが、合鍵作成には以下のような情報が必要になります。
・氏名や住所などの所有者情報
・鍵番号とシリアル番号
・セキュリティカードやオーナーカードにある番号
・暗証番号
登録制シリンダーでしたら、所有者以外の合鍵作成が極めて困難なので、不正に合鍵作成されることも心配ありません。鍵の複製による犯罪が気になる方は、登録制のディンプル錠がおすすめです。
ほかにも、子鍵が不要な暗証番号式や、リモコン式など選択肢が豊富にある電子錠も防犯性に優れています。ただし、その分費用も高めになるため、予算と目的に合った補助錠を選びましょう。
自宅のドアに取り付けられるタイプを選ぶ
補助錠は「右開き扉用」「左開き扉用」「内開き用」「外開き用」など、ドアのタイプによって使えるものを選ぶ必要があります。
中には内開きでも外開きでも対応できるタイプもありますが、誤ったタイプを選んでしまうと玄関ドアに設置することができません。
補助錠を選ぶ際は自宅のドアの開き方を確認し、取り付けられるかを調べた上で選びましょう。また、ドアの形状についても注意が必要です。
扉を閉めたときに扉とドア枠のすき間から室内の様子が見えないように扉が玄関の枠にかぶる「かぶせ扉」というタイプの扉があります。
ドアを挟み込む形で設置する補助錠の場合は、かぶせ扉でも使えるものを選びましょう。
また、バックセット、ドアの厚さ、ドア枠に希望する補助錠が取り付けられるだけの場所が空いているのか、ドアの寸法を予め測っておきましょう。
鍵穴の中心からドアの端までの長さのこと。
補助錠の種類
補助鍵には大きく「外付けタイプ」「内付けタイプ」「面付けタイプ」の3種類があります。それぞれの特徴を理解したうえで選びましょう。
外付けタイプ
ドアの外側に取り付けて、外から施錠するタイプの補助錠です。
見た目で補助錠がついているのがわかるので防犯対策を行っていることがわかりやすく、空き巣が侵入をあきらめる抑止効果が期待できます。
簡易なタイプは両面テープで固定したり、ドアに挟むだけなど工事が不要なものが多く、賃貸物件などにもおすすめです。
室内側にツマミがないタイプの補助錠は、外側から鍵をかけてしまうと内側からは解錠できず、家族が室内にいる場合はうっかり閉じ込めてしまわないように注意が必要です。
閉じ込められた場合に内側から解錠できる「非常解除装置」がついているタイプがおすすめです。
内付けタイプ
ドアの内側に取り付けるタイプで、在宅時に室内側から施錠して使います。在宅時の防犯対策として効果がありますが、外出する際に外から補助錠をかけることはできません。
内付けタイプは外からの見た目では補助錠の存在がわからないため、在宅時に空き巣に狙われても、解除方法がわからず侵入されにくいという特徴があります。
ただし、室内で体調を崩して倒れたり、ケガをして動けないなどのトラブルがあった場合、外側からは開けられないので注意が必要です。
面付けタイプ
主錠と同じようにシリンダーを備えた錠前ですが、ドアに掘り込まずにドアの室内側に取り付けるタイプです。
ドアにシリンダー用の穴を開け、箱型の錠前本体をドアにネジで固定します。
頑丈で防犯性が高いですが、ドアに穴をあける必要があるため賃貸物件に住んでいる場合は管理会社の許可を必ず取りましょう。
穴をあける位置を正確に測り、ホールソーなどの電動工具で穴をあける必要があるため、DIYに不慣れな人には難易度が高いといえます。
自分で設置するのが不安という方は、プロの鍵屋さんに相談しましょう。
補助錠の解錠タイプ
次に、補助錠の解錠タイプによる違いを見ていきましょう。
補助錠には以下のような解錠タイプがあります。
- 鍵タイプ
- 差し込みタイプ
- 暗証番号タイプ
- チェーン・ドアガードタイプ
- 電子錠タイプ
鍵タイプ
玄関のメイン鍵と同じように、鍵穴に子鍵を差し込むタイプです。
子鍵がギザギザした山が両側にあるディスクシリンダーキーの場合は、ピッキングに弱いなど、セキュリティ面のリスクがあります。
そのため、鍵タイプの補助錠にはより防犯性の高いディンプルキーがおすすめです。
差し込みタイプ
株式会社フキから発売されている鍵をかけた鍵穴に差し込むタイプの補助錠です。外出時にシリンダーに差し込んでおくことでいたずらやピッキングを防ぎます。
解錠には専用のサークルキーが必要なので、高い防犯性が期待できます。製品によって対応できるシリンダーの種類が限られているので、自宅のドアに使用できるか事前に確認が必要です。
暗証番号タイプ
暗証番号のボタンを押す、またはダイヤルを合わせるなどの方法で解錠するタイプです。鍵を持ち歩く必要がないので、メインの鍵に加えて補助錠の鍵も持ち歩くのが面倒という人にはおすすめです。
鍵穴がなくピッキングすることができないので、防犯性も優れています。
ただし、番号を忘れてしまうと解錠できなくなるので注意が必要です。スマホなどにメモを残しておく、家族に番号を伝えておくなどの対策をしておきましょう。
チェーン・ドアガードタイプ
玄関ドアの内側につけるタイプの補助錠で、ドアが最低限しか開かないようにします。
本来は訪問販売や宗教の勧誘などの訪問者を家に入れないようにするための対策で、防犯目的で開発されたものではありません。
そのため防犯性はあまり高くなく、チェーンタイプはチェーンカッターなどで簡単に切断されますし、ドアガードタイプも外側から簡単に解錠されるリスクがあります。
防犯対策を目的として補助錠を設置するのであれば、より防犯性能の高いタイプの鍵をつけることをおすすめします。
電子錠タイプ
暗証番号、指紋認証、リモコンキー、ICカードなど、電子錠にはさまざまな解錠方法があり、電子錠に備わっているものから好きなタイプを選ぶことができます。
スマホやICカードで解錠する「スマートキー」タイプは、アプリを利用して遠隔で鍵を施錠・解錠できるものもあります。
タイプによっては鍵を持ち歩く必要がないので鍵紛失のリスクもなく、防犯性も高いですが、通常の錠前に比べて高価なものが多いというデメリットもあります。
また、電子錠タイプは電池がなくなると作動しなくなるため、定期的に電池交換が必要です。
電池が少なくなるとアラームで知らせてくれるタイプや、電池が切れても鍵を差し込んで解錠できるタイプなどもあります。
玄関補助錠取り付けの費用目安
穴あけなどの工事が必要なタイプの取り付けは業者に依頼することで確実に取り付けることができます。
料金は取り付ける補助錠のタイプによって変わりますが、面付けタイプの補助錠を取り付ける平均的な料金は20,000円〜30,000円(+部品代)ほどが一般的です。
電子錠タイプで工事が必要なものは作業料が高額になる傾向があり、カードキーだと20,000円〜80,000円(+部品代)程度になります。
玄関の補助錠についてよくある質問
玄関の補助錠取り付けについて、よくある質問をまとめました。
賃貸にも補助錠をつけられますか?
穴あけ工事不要で簡単に取り付けられるタイプもありますが、賃貸住宅の場合は事前に必ず管理会社に確認し、了承を得るようにしましょう。
勝手に取り付けると契約違反になったり、退去時に原状回復を求められたりとトラブルに発展する可能性があります。
補助錠はどこで買えますか?
簡易的な補助錠はホームセンターなどでも購入できます。お店によっては置いている種類が限られている可能性があるため、インターネットショップで購入するのもひとつです。
自分で購入する際は、取り付け可能な補助錠を調べてから購入しましょう。
補助錠を今使っている鍵で施解錠できますか?
鍵の種類によっては新しく取り付ける補助錠の鍵を既存で使用している鍵と同一にして、1本の鍵で施解錠できるように設定する場合もあります。
防犯性の高い補助鍵をつけたい場合はプロの鍵屋さんに相談
補助錠は自宅のドアのタイプにあった適切な鍵を選んで設置しましょう。簡易的なタイプは取り付けは簡単ですが、防犯性能はあまり高くない可能性があります。
補助錠を選ぶ際は防犯性が高いタイプを選び、正しく設置してください。自分で付けられるか自信が無いという人はプロの鍵屋さんに相談しましょう。
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