サムターン回しとは?手口の仕組みと防止対策を鍵屋が解説!

この記事でわかること
- サムターン回しの仕組みや侵入手口
- ピッキングとの違いやサムターン回しが選ばれる理由
- サムターン回しの対策と費用相場
- 被害に遭ったときの対処法
空き巣や侵入被害を防ぎたいと考える方にとって、「サムターン回し」という言葉は気になる存在ではないでしょうか。サムターン回しとは、ドアの内側にあるつまみ(サムターン)を外部から特殊工具で回して鍵を開ける手口のことを指します。
この方法はピッキングとは異なり、防犯シリンダーを取り付けていても無効化される場合があるため注意が必要です。この記事では、サムターン回しの仕組みや手口、実際の被害事例、防犯対策、そして万が一被害に遭ったときの対応方法まで詳しく解説します。自宅や賃貸物件の防犯を強化するため、ぜひ最後までご覧ください。
サムターン回しとは?手口と被害事例を解説

サムターン回しは、空き巣や侵入犯がドアの鍵を開けるために使う代表的な手口のひとつです。特に防犯シリンダーを導入していても無効化される場合があるため、被害に遭わないためには仕組みやリスクを知ることが大切です。
ここでは、サムターン回しの仕組みや具体的な侵入方法、犯行にかかる時間、実際に起こった被害事例を解説します。知らないうちに自宅が空き巣に狙われてしまわないよう、基礎知識を身につけておきましょう。
サムターン回しの仕組みと侵入方法
サムターン回しとは、玄関ドアの内側に付いているつまみ(サムターン)を外側から工具を使って回し、鍵を開ける侵入手口です。犯人はドアスコープ(覗き穴)を外したり、郵便受けの隙間から特殊工具を差し込んだりして、サムターンに引っかけて回します。
ピッキングと異なり、シリンダーを操作する必要がなく、工具が届けば誰でも開けられる危険性があります。特に古いドアや安価なサムターンの場合、防犯性が低いため、すぐにでも対策が必要です。
サムターン回しにかかる時間とリスク
サムターン回しは非常に短時間で解錠できる手口です。慣れた犯人であれば、1~2分程度で玄関の鍵を開けてしまいます。侵入に時間がかからないため、犯行中に見つかるリスクも少なく、非常に危険です。
特に夜間や留守中だけでなく、昼間の在宅中に侵入されるケースもあり、住人が寝ている間や気付かない間に泥棒が入っている可能性もあります。ピッキング対策だけでは防げないため、サムターン回し専用の対策を講じることが重要です。
サムターン回しの犯罪例・被害事例
実際にあったサムターン回しの被害事例として、都内のマンションで昼間に留守にしていた住戸に空き巣が侵入し、現金やパソコンなど総額50万円相当を盗まれた事件があります。
また、別のケースでは、夜間住人が寝ている間にサムターン回しで侵入され、財布やバッグが盗まれる被害も報告されています。このように、サムターン回しは誰でも被害に遭う可能性があり、鍵を強化していても油断できない手口だと言えるでしょう。
サムターン回しとピッキングの違いとは

サムターン回しとピッキングは、どちらも玄関ドアの鍵を開けるために使われる手口ですが、仕組みや方法は大きく異なります。ここでは、ピッキングとの違いや空き巣がサムターン回しを選ぶ理由、そしてどちらがより危険なのかを詳しく解説します。
ピッキングとの手口の違い
ピッキングは鍵穴に専用の器具を挿入してシリンダー内部のピンを操作し、鍵を回して解錠する手口です。ピッキングに強い防犯シリンダーが普及したことで被害は減少していますが、完全にゼロではありません。
一方、サムターン回しはドアの内側についたサムターン(つまみ)を工具で直接回す方法であり、鍵穴を操作する必要がないため、防犯シリンダーを取り付けていても無意味になるケースがあります。
つまり、ピッキングはシリンダー内部を攻める手口で、サムターン回しはつまみ自体を攻める手口という大きな違いがあります。この違いを理解していないと、防犯対策がピッキング対策だけに偏ってしまい、サムターン回しへの対策が手薄になってしまうため注意が必要です。
▼関連ページ空き巣がサムターン回しを選ぶ理由
空き巣がサムターン回しを選ぶ理由としては、防犯シリンダーの普及でピッキングが難しくなり、従来の手口では侵入できなくなったことが挙げられます。サムターン回しは鍵穴の性能に関係なく、ドアの内側についたつまみを直接回すだけで開錠できるため、工具さえあれば短時間で侵入が可能です。
さらに、ピッキングと違って鍵穴をいじる必要がないため、シリンダーへの傷跡が残りにくく、犯行後に証拠を残しにくいという点も空き巣にとって大きなメリットです。また、犯行時に大きな音を立てる必要もなく、短時間で済むため、周囲に気付かれにくいのも選ばれる理由です。
こうした背景から、サムターン回しは現在の住宅侵入被害において非常に脅威となっています。
どちらが危険性が高いのか
サムターン回しとピッキングのどちらが危険かというと、現在はサムターン回しの方がより脅威であるといわれています。防犯シリンダーの普及によりピッキング被害は減少していますが、サムターン回しは鍵穴の性能に関係なく侵入できるため、対策をしていない住宅が非常に多く、侵入成功率も高いのが現状です。
犯人側にとっても、ピッキングより短時間で開錠でき、音も静かで周囲に気づかれにくいため、リスクが低く成功しやすい手口です。実際に、サムターン回しによる被害件数は年々増加傾向にあり、どんなに防犯シリンダーを設置していてもサムターン回し対策をしていなければ無防備と同じ状態だと言えます。
自宅の防犯を万全にするためには、両方の手口への対策が必要不可欠です。
サムターン回しの対策やかかる費用相場

サムターン回しはピッキング対策済みの鍵を取り付けていても無効化される恐れがあるため、専用の防犯対策が重要です。ここでは、サムターン回しを防ぐために有効な具体的対策方法と、それぞれにかかる費用相場について詳しく解説します。
防犯サムターンへ交換
防犯サムターンへの交換は、サムターン回し対策として最も効果的な方法のひとつです。防犯サムターンには、外側から工具で回そうとしても回らない構造のものや、つまみ自体を取り外せる着脱式、折りたたみ式タイプなどがあります。
これらは通常のサムターンよりも複雑な構造になっているため、工具を差し込んでも引っかけられず回すことができません。交換費用は製品代と工事費込みで10,000円~20,000円程度が相場です。
設置時間も30分から1時間程度と短く、防犯性能を大幅に高められるため、特に空き巣被害が多い地域に住んでいる方には早急な導入をおすすめします。
サムターンカバーを取り付ける
サムターンカバーは、既存のサムターンに被せることで工具を引っかけられなくする簡易的な防犯グッズです。工具がサムターンに接触できないため、外側から回される心配がなくなります。取り付けも両面テープやネジで固定するだけなので、自分で簡単に設置可能です。
賃貸住宅でも取り外しが容易な商品を選べば原状回復にも対応できます。サムターンカバーの価格は1,500円~3,000円程度と比較的安価で、費用対効果が高い対策といえるでしょう。ただし、カバーを付けた状態で操作しにくくなる場合があるため、購入前にサイズや使い勝手を確認しておくことが大切です。
補助錠を設置する
補助錠を設置することもサムターン回し対策として非常に有効です。補助錠は玄関ドアにもう一つ鍵を取り付けることで、メインの鍵が開けられても侵入を防げる仕組みになっています。特に上下二か所に鍵があると、空き巣は侵入に時間がかかることを嫌がり犯行を断念しやすくなります。
補助錠の種類には、鍵穴タイプのほかに内側からワンタッチで施錠できるものや、スマートロックタイプなどさまざまあり、費用相場は5,000円~30,000円程度です。取り付けはDIYで可能な商品もありますが、防犯性能を最大限に活かすためには専門業者へ依頼するのがおすすめです。
▼関連ページドアスコープやドア部分を強化する
ドアスコープ(覗き穴)部分を強化することもサムターン回し対策として効果的です。ドアスコープは外側から外されやすく、そこから工具を差し込まれるケースが多いため、防犯用のドアスコープに交換することで取り外しを防げます。
また、ドア自体に補強プレートを取り付けることで工具を差し込みにくくし、サムターン回しを物理的に不可能にすることも可能です。防犯用ドアスコープは2,000円~5,000円程度、補強プレートは5,000円前後で購入でき、業者へ依頼する場合は工事費込みで10,000円程度が相場です。
これらの強化で、空き巣が侵入を諦める確率を高めることができます。
もしサムターン回し被害に遭ったらどうすれば良い?

万が一サムターン回しの被害に遭ってしまった場合、冷静に迅速な対応をすることが重要です。ここでは、被害に気づいたときの初動対応や警察への通報方法、賃貸住宅での管理会社や大家への連絡、そして再発防止のために必要な具体的対策について詳しく解説します。
警察に通報する
サムターン回しによる侵入被害に気づいたら、まず最初にやるべきことは警察へ通報することです。現場検証や被害届の提出が必要となるため、玄関や室内の状況には手を触れず、そのままの状態で警察の到着を待ちましょう。
犯人の指紋や足跡、侵入経路の痕跡など証拠を残すことが大切です。被害届を提出しておくことで、後日発生する可能性がある保険申請や、他の事件との関連調査にも役立ちます。また、警察から防犯アドバイスを受けられることもあるため、必ず通報しましょう。
管理会社や大家へ連絡する
賃貸住宅の場合は、警察への通報後に管理会社や大家へ連絡することも忘れないでください。玄関ドアの鍵交換や防犯工事が必要になる場合、自己判断で勝手に交換してしまうと原状回復義務に抵触する可能性があります。
管理会社や大家に事情を説明し、鍵交換や防犯工事について許可を得てから対応することが重要です。また、管理会社が提携している鍵業者に依頼する必要がある場合もあるため、被害状況と合わせて速やかに連絡しましょう。
防犯サムターン・補助錠・サムターンカバーなどで対策する
サムターン回し被害に遭った後は、同じ手口で再び被害に遭わないためにも、防犯サムターンへの交換や補助錠の設置、サムターンカバーの取り付けといった具体的な対策を実施しましょう。犯人は一度侵入に成功した物件を再び狙う傾向があるため、被害後に対策を講じないと再度被害に遭うリスクが高くなります。
防犯サムターンに交換するだけでも大きな効果がありますが、補助錠やドアスコープの強化も併せて行うことで防犯性能をさらに高めることができます。必要に応じて、専門の鍵業者に相談して最適な対策を選びましょう。
まとめ
サムターン回しは、ピッキング対策済みの鍵でも無効化される恐れがある危険な侵入手口です。短時間で解錠でき、証拠が残りにくいため、空き巣被害に遭わないためには、防犯サムターンへの交換やサムターンカバーの取り付け、補助錠設置、ドアスコープやドア部分の強化など複数の対策を組み合わせることが重要です。
また、万が一被害に遭った場合には、警察への通報や管理会社への連絡を行い、早急に再発防止策を講じるようにしてください。その際はキーホースまでご相談ください。キーホースでしたら、補助錠の取り付けや防犯性能が高い鍵に交換することも可能です。
見積り・出張費無料で現場に駆け付けますので、鍵のことで何かお困りのことがあればお気軽にお問い合わせください。