解錠と開錠は別の作業!2つの違いや費用相場を解説

更新日:2023/03/22
解錠と開錠は別の作業!2つの違いや費用相場を解説

この記事でわかること

  • 「解錠」とは
  • 「開錠」とは
  • 解錠/開錠に関するよくあるトラブル
  • 鍵屋に鍵開けを依頼したときの費用相場について

「鍵を紛失した」

「鍵が故障して開けられない」

こんなときは鍵屋に依頼することで開けてもらえますが、鍵開けには「解錠」と「開錠」の2つがあることをご存知ですか?

読み方は同じ「かいじょう」ですが実は2つは別物。作業内容やかかる費用は異なります。

この記事では解錠と開錠の違いや費用相場について解説しています。

違いがわかっていると鍵屋さんの説明も理解しやすく依頼がスムーズになりますので、ぜひ参考にしてください!

解錠と開錠の違い

解錠と開錠の違いは「鍵を壊さずに開けるか」「手段を選ばず、鍵を壊してでも開けるか」になります。

想定される場面や作業内容、費用など、両者の違いについて詳しく解説していきます。

鍵を壊さずに開ける「解錠」

解錠

「錠」を「解く」と書く方の「解錠」は、鍵を壊さずにピッキングなどで開ける方法です。

鍵を壊さないので解錠後もそのまま使用でき、鍵交換も不要なので費用も安く済みます。

ピンシリンダー錠やディスクシリンダー錠など、ピッキング対策がされていない古いタイプのシリンダー(鍵穴)であればピッキングで解錠が可能です。

一方、ロータリーディスクシリンダーやディンプルキーなど、防犯性の高い鍵だと作業に時間を要することも。

その場合はドアスコープやドアポストなどからオープナーという特殊な工具を入れて、室内側のサムターン(鍵のつまみ)を回すという手法が取られることがあります。

不法侵入の手口に「サムターン回し」というのがありますが、ピッキング同様、もともとは鍵屋が人助けのために使う技術が悪用されたものです。

サムターンの中には「防犯サムターン」といって、外側からのサムターム回しに対策が施されたものがあり、作業の難易度が高くなることがあります。

防犯サムターンには以下のようなものがあります。

スイッチ式サムターン

サムターンの上下にボタンがついていて、ボタンを押しながらでないとサムターンが回らない。

脱着式サムターン

サムターンを着脱できるタイプ。取り外しておけば外からはサムターンを回せない。

空転サムターン

空転モードに設定するとサムターン部分が空転して施解錠できない。サムターンを押しながら回すことで施解錠可能。

偏荷重サムターン

サムターンに均等に負荷をかけないと回せないタイプ。片方だけに力をかけても回せないため外側から開けるのは困難。

手段を選ばずに開ける「開錠」

開錠

「錠」を「開ける」と書く方の「開錠」は、破壊すること(破錠)も含めて手段を選ばずに開ける方法です。

解錠で開けられない場合や、中で人が倒れているなど緊急性の高い場合に取られることがある手法です。

例えば戸建ての住宅の場合、玄関ドアが解錠できなくても、窓や勝手口などほかの経路で解錠できないかを検討し、どこからも侵入が難しい場合にのみ最後の手段として「開錠」という手段が採られます。

開錠ではサンダーやドリルを使ってシリンダーを破壊することもあり、火花や騒音が発生するため、近隣住人への配慮が必要です。

また、鍵を破壊して開けるため開錠後は鍵交換が必要になり、解錠よりもかかる費用総額が高くなります。

開錠は確実に開けられるというメリットがありますが、耐破壊性能の高い鍵だと破壊に時間がかかることがあります。

解錠/開錠を依頼する前に確認しておくこと

鍵屋に解錠や開錠を依頼する際に、以下のことを伝えることで鍵を破壊せずに開けられるかの判断がし易くなるので、事前に確認しておきましょう。

シリンダーの種類やメーカー名

シリンダーの種類やメーカー名は、子鍵(差し込む方の鍵)の形状や刻印を確認することでおおよそ判断できます。

鍵の種類

ピンシリンダー
ピンシリンダー

子鍵の片面のみにギザギザがあるタイプです。

古いものはピッキングに弱く防犯性能が低めですが、新しいものは耐ピッキング性能が上がっています。しかし、耐破壊性能は低いという弱点があります。

ディスクシリンダー
ディスクシリンダー

鍵穴が縦になっており、子鍵の両面にギザギザがあるタイプです。

単純な構造でピッキングに弱いため防犯性が低く、現在は廃番になっていますが、今でも使用されている住宅もあります。

ディンプルシリンダー
ディンプルシリンダー

子鍵の表面にボコボコとくぼみがあるタイプです。

非常に複雑な構造で防犯性が高く、住宅だけでなく自転車や金庫などさまざまな鍵に採用されています。

ただしその防犯性の高さゆえ、ピッキングなどによる解錠には時間がかかる場合があります。

ロータリーディスクシリンダー
ロータリーディスクシリンダー

鍵穴が横になっており、子鍵の両側にギザギザがついているタイプ。

ディスクシリンダーの後継モデルで防犯性が高く、その割に価格は低いというコストパフォーマンスの良さが特徴です。

ウェーブキーシリンダー
ウェーブキー

子鍵にギザギザがなく、代わりにウェーブ状の溝のようなものが彫られているタイプの鍵で、住宅だけでなく車や自転車の鍵としても広く採用されています。

溝がブレードの側面近くにあるものは外溝、ブレードの真ん中にあるものは内溝などと呼ばれたりもしますが、ディンプルキー同様耐ピッキング性能が高く、優れた防犯性を誇ります。

電子錠
電子錠

電力を使って施解錠するタイプの鍵で、カードを当てて解錠するカード式や、リモコン式、指紋認証式、暗証番号式などさまざまなタイプがあります。

タイプによっては子鍵を持ち歩く必要がなく、鍵穴が塞がれていたり、シリンダーが取り除かれていたりしてピッキングもできないため防犯性は高め。

一方、停電や電池切れなど電気が使えないと解錠できないというデメリットもあります。

引き戸錠
引き戸錠

引戸錠は横にスライドして開ける引き戸タイプのドアに付けられている鍵です。

鍵を取り付ける場所によって、ドア枠と引き戸をロックする「戸先鎌錠」と、2枚の引き戸が重なる中央部分をロックする「召合せ錠」とがあります。

鍵のメーカーを確認

鍵のメーカー名は多くの場合、子鍵(差し込む方の鍵)の表面に刻印されています。

主要な鍵のメーカー名:

  •  美和ロック(MIWA)
  • ドルマカバ社(KABA)
  • GOAL(GOAL)
  • アルファ(ALPHA)
  • ユーシン・ショウワ(SHOWA)
  • ウエスト(WEST)
  • 長沢製作所(NAGASAWA)

なお、オリジナルキーではなくスペアキーの場合は「GTS」「GSS」「FUKI」「G&S」「W&S」「TLH」など、スペアキー用の製造メーカー名が刻印されています。

ドアスコープの有無

ドアスコープ

ドアスコープは玄関のドアに取り付けられているレンズで、来訪者が来たとき玄関ドアを開けずに外を確認できるため、防犯効果があります。

ドアにドアスコープがついていれば、ドアスコープを外してそこから専用の器具を挿し込み、サムターンを回して鍵を開けられます。

ドアポストの有無

ドアポスト

玄関ドアに埋め込まれている郵便受け(ドアポスト)がついている場合、そこから器具を挿入してサムターンを回せる場合があります。

鍵屋に解錠/開錠を依頼したときの流れ

鍵屋に解錠や開錠を依頼した場合の流れは下記のようになります。

  1. 電話などで依頼の連絡
  2. 鍵屋スタッフが現場を訪問して確認
  3. 現地で見積り
  4. 金額に同意したら作業開始
  5. 作業確認後、支払い

業者によってはクレジットカードに対応していない場合もあるので、支払い方法は事前に確認しておきましょう。

鍵開けの際は身分証の提示が必要

身分証明書

他人が居住者や所有者になりすまして鍵開けをすることを防ぐため、鍵を開ける物件と依頼者の関係を証明する身分証明書が必要です。

  • 運転免許証
  • パスポート
  • 学生証
  • 敬老手帳
  • 外国人登録証
  • (車の場合)運転免許証と本人名義の車検証

上記が手元にない場合は、複数の書類確認が必要になります。

  • 保険証
  • クレジットカード
  • 郵便物
  • 水道、ガス、電気などの公共料金領収書
  • 賃貸借契約書 など

身分証を持っていない場合や、本人以外が鍵開けを要請する場合は警察官の立ち会いが必要になります。

鍵屋に解錠・開錠・鍵交換を依頼したときの費用相場

鍵開けや鍵交換の費用は鍵の種類や開け方、現場の状況などによって異なるため、正確な金額を知りたい場合は業者のスタッフに現場を確認してもらう必要があります。

一般的な費用相場は下記のとおりです。

住宅の鍵開け費用相場

ピンシリンダー¥8,800~(税込)
ハイセキュリティシリンダー¥16,500~(税込)
特殊シリンダー¥19,800~(税込)
簡易錠前¥11,000~(税込)
特殊錠前¥22,000~(税込)

金庫の鍵開け費用相場

ピンシリンダー¥8,800~(税込)
ダイヤル錠¥11,000~(税込)
マグネットキー¥22,000~(税込)
テンキー¥22,000~(税込)

車の鍵開け費用相場

一般的な車の鍵開け¥8,800~(税込)
車の特殊キー¥16,500~(税込)

鍵交換費用相場

住宅の鍵交換¥11,000~(税込)+部品代
金庫の鍵交換¥11,000~(税込)+部品代
車の鍵作成¥16,500~(税込)

解錠/開錠に関するよくあるトラブル

ここからは、解錠・開錠に関するよくあるトラブル事例について紹介します。

賃貸住宅で管理会社に許可なく開錠してしまった

賃貸住宅で破壊開錠が必要になった場合は、必ず事前に管理会社や大家の許可を得るようにしましょう。破壊を伴わない解錠であれば特に問題に発展することもないかと思われますが、無断で鍵を破壊してしまうと、たとえそれが必要なことであってもトラブルになる可能性がゼロとは言えません。

破壊開錠となると、続いて鍵交換も必要になりますので、事前に連絡がつくのであれば許可を取ってから鍵屋に依頼をするようにしましょう。

深夜だったなどの理由で連絡がつかなかった場合は、必ず後日に連絡を入れ、やむなく鍵を壊して開け、交換も済ませたことを報告するようにすれば、退去時などにトラブルとなる可能性が低くなります。

鍵を紛失して家に入れない場合は特に管理会社などに連絡を入れるようにすべきです。管理会社などに連絡がつけば、マスターキーや合鍵を持っていて開けてもらえるかもしれませんし、持っていなくても提携している鍵屋さんを紹介してもらえる可能性があります。

付き合いのある鍵屋なら悪徳業者ということはないので安心して依頼できるでしょう。

なお、分譲マンションの場合でも玄関ドアの鍵交換には注意が必要です。

マンションの管理規約で錠前がどのように定義されているかにもよりますが、玄関ドアの外側は「共用部分」に該当すると定められていることが多く、鍵の外見が大きく変わるような交換は、管理組合に確認をとってから実行しましょう。

シリンダー錠のシリンダーを交換する場合は大きな変化がないのであまり問題にならないかもしれませんが、規約はマンションごとに違うので管理組合がどのように考えているかを知っておきましょう。

特に、エントランスと玄関鍵が連動している逆マスターの鍵を紛失した場合は、管理組合に報告が必要です。

鍵の在庫がなくてすぐに交換ができない

鍵の在庫がないと、開錠してもすぐに交換ができないことがあります。

新しい鍵をすぐにつけられない場合、「補助錠」を取り付けることで、鍵が届くまでの期間は一時的に施錠できます。

補助錠とは、防犯性を高める目的でメインの鍵のほかにあとから取り付ける鍵のことで、種類によっては扉に穴あけの加工などをせずに取り付けられます。

電話で聞いた見積金額よりも高額な費用を請求された

鍵開けや鍵交換の見積りは、現地の状況を実際に確認しないと正確な金額がわかりません。

事前に業者に電話などで概算の費用を聞いていたとしても、現場を見ると想定通りの作業ができずに追加費用が発生する場合もあるでしょう。

現場で正確な見積りを確認後、金額に納得がいかなければキャンセルも可能です。

中には不正に高額な金額を請求してくる悪徳業者もいるので、急いでいる場合でもできる限り複数社に見積りをとり、業者を比較して選定することをおすすめします。

よく確認せずに開錠の手段を提案される

破錠する料金と、鍵交換の料金を請求するために、解錠できるかをよく確認せずに開錠に踏み切ろうとする業者は注意が必要です。

玄関鍵が解錠できない場合でも、通常は破錠する前に窓や勝手口などほかの経路も確認し、解錠して家に入れないか試みます。

どうしてもダメだった場合は最後の手段として破錠を含む「開錠」という判断に至りますが、よく確認せずに開錠を提案されて納得がいかない場合は無理して依頼せず、別の業者にも見積りを取ってみましょう。

解錠・開錠を依頼するなら実績豊富な専門業者「キーホース」へ

鍵開けには解錠と開錠があり、それぞれ作業内容や費用が異なります。

開錠はあくまで最後の手段。現場の状況を見極め、破壊せずに鍵を開ける「解錠」で対応できれば費用を安く抑えられます。

鍵屋キーホースは経験豊富で高い専門技術を持ったスタッフを有する鍵の専門業者。

365日年中無休、出張見積もりも完全無料で、ご連絡をいただいたら最短15分で現場に駆けつけます。

鍵開けでお困りの際はぜひ鍵屋キーホースまでご連絡ください!

お電話は0120-955-127

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