【カギの交換】自分でシリンダーを交換する方法を解説
この記事でわかること
- シリンダー交換に必要なもの
- シリンダーの種類
- シリンダー交換の手順
- ご自身での作業が不安な場合は鍵屋におまかせ
シリンダーとは鍵を差し込む鍵穴部分のことです。
鍵を交換する際は、「鍵全体(錠前、シリンダー)を交換する場合」と「シリンダー(鍵穴)のみを交換する場合」に大きく分けられますが、自力での交換を検討している場合は、鍵全体の交換よりも比較的簡単で、DIYで行うことも可能なシリンダー交換がおすすめです。
そこで本記事では、自分でシリンダー交換を試みようとしている人向けに、シリンダー交換の方法をご紹介します。
目次
シリンダー交換前に準備すること
シリンダー交換には、作業に必要なドライバーと新しいシリンダーを準備します。ここで重要になるのがシリンダー選びです。
シリンダーは製品によってはサイズが異なるため、錠前と規格が合わないと取り付けることができなかったり、使用中に不具合が起こることがあります。
鍵は基本的に、防犯上の理由で返品・交換ができないので、錠前に適合しないシリンダーを選んでしまうと用意した部品が無駄になってしまいます。
そうならないためにも、新しいシリンダーを準備する前に、以下のことに注意しましょう。
鍵の型に適合したシリンダーを探す
シリンダー交換の場合、錠前はそのまま使用することが多いです。そのため、錠前にあったシリンダーを用意する必要があります。
シリンダーや錠ケースには型番などの刻印が施されていますが、刻印だけでは商品の型番は特定できません。
鍵というものは部品の集合体であり、扉の大きさや形状などによって部品のバリエーションは数百にものぼります。
他のサイトには、錠ケースの型番で商品の型番が割り出せるという記載が目立ちますが、実際は刻印だけでの商品の特定、選定は難しいです。
型番には適合表のようなものが存在しており、こういった情報をもとに自宅の鍵の型番は何か、どんなシリンダー形状かなど、しっかり調べておく必要があります。
美和ロックを例にすると、ドア側面のフロントプレート(金属板)に「MIWA LAMA」や「MIWA 13LA」などといったような記号が刻印されているものを「MIWA LA(DA)用交換シリンダー」と言います。
下記の品番を総称して「MIWA LA(DA)シリンダー」と呼び、同じ品番であれば取り替えることができます。
【MIWAの刻印】
13LA | AFF | AL | AL-02 | AL3M | ALA |
DA | DASP | DH | DV | DVF | FE |
FG | LA | LAF | LAG | LAMA | LASP |
MH. LH | LV | LVF | PA | PA-01 | PASP |
PG | PGA | PPA | WLA | WLH |
心配な方は、元の鍵と同じメーカー、型番のシリンダーであれば部品選びに失敗する可能性は低いでしょう。
ドアのサイズを計測する
また、新しいシリンダーを準備するには下記のサイズを計測する必要もあります。計測する箇所は、ドアの厚み、フロントプレート、ビスピッチ、バックセットの4箇所です。
- ①ドアの厚み
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錠前の種類はドアの厚さによって異なるので、正しく計測する必要があります。戸先側に煙返し(ドアを閉めたときに隙間を埋めるもの)がある場合は、うまく測れないことあるので、その場合は吊元側から計測すれば正確な厚みを測ることができます。吊元にもメジャーが入らないという時は、ドアの上の部分か底面を測ります。
- ②フロントプレートの長さ・幅
-
フロントプレートは、ドア側面についている金属板のことで、デッドボルトやラッチボルトが出てきます。
- ③ビスピッチ
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ビスピッチは、フロントプレートを固定している上下ビス間の距離(上のビスの中心から下のビスの中心)のことです。
- ④バックセット
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バックセットは、ドアの端から錠前中央までの距離のことで、製品の説明には「B/S」や「B.S」と表記されていることが多いです。
賃貸住宅の場合はまず管理会社に確認をする
賃貸物件は他人の所有物です。そのため、個人の判断で鍵やシリンダー交換を行なってしまうと、契約違反になったり後々のトラブルに発展することもあります。
賃貸の鍵交換は原則、物件を管理している大家や管理会社への確認が必要です。
勝手に鍵を交換した場合、火災や水漏れなどの緊急時に大家が住戸に入れなかったりしますし、退去時に原状回復(元に戻すこと)を求められる可能性もあります。
鍵を変えたい事情をきちんと大家や管理会社に伝え、許可がおりた場合だけ鍵を変えましょう。
また、大家や管理会社指定の業者があるケースが多く、故障や防犯面の不具合でしたら管理者側が業者を手配してくれます。
シリンダーの種類
シリンダーには様々な種類があります。シリンダー交換をする目的は人それぞれですが、シリンダーを選ぶポイントは、価格、防犯性能、デザインの3要素で検討すると良いでしょう。
低コストを重視するなら価格の安いシリンダーをお勧めしますが、防犯性能や見た目にこだわる方は、ある程度値段の張るシリンダーをおすすめします。
以下では、参考までに美和ロックのシリンダーを紹介します。
シリンダー | 概要 |
U9シリンダー (ロータリーシリンダー) | 理論鍵違い数は約1億5千万通りある防犯性の高いシリンダーです。9列9枚で4段変化のものを使用しており各種キープランにも余裕を持って対応できます。 |
PRシリンダー(2WAYロータリーシリンダー・リバーシブルキー) | キーとの接触面が異なるメインタンブラーとサイドタンブラーの2WEY構造を採用したタンブラーです。理論上1,000億通りの鍵違い数がある防犯性の高いシリンダーです。 |
PR-Jシリンダー(2WAYロータリーシリンダー・リバーシブルキー) | PRシリンダーのキーウェイ部分を蓄光部品にして、夜間や暗闇でもキーを差し込みやすくしているシリンダーです。 |
LBシリンダー(可変タンブラーシリンダー・リバーシブルキー) | 賃貸物件の管理方式に合わせたチェンジキーシステム(リベロ・キーシステム)で、キー交換の際はシリンダー交換をする必要がありません。理論鍵違いは約261億通りとなっています。 |
LB-Jシリンダー(可変タンブラーシリンダー・リバーシブルキー) | LB-Jシリンダーのキーウェイ部分を蓄光部品にして、夜間や暗闇でもキーを差し込みやすくしているシリンダーです。 |
JNシリンダー(リバーシブルピンシリンダー) | 4方向から多数のピンタンブラーを備えた高性能ピンシリンダーで、理論鍵違いは約172億通りになります。 |
防犯を強化するなら二重ロックもおすすめ
「二重ロック」とは、「ダブルロック」または「ワンドア・ツーロック」とも呼ばれ、一枚の窓やドアに2つ以上の鍵をつける不正侵入対策です。
かつて、同時に2つ以上の鍵を設置するような場合は、高いセキュリティランクを求められる場所に限られていました。
ですが、鍵メーカーの企業努力もあり、価格が安価で取り付けも容易な「補助錠」が普及し始めたことで、現在では一般家庭の防犯設備としても二重ロックが普及しています。
過去に警察が侵入犯を対象にした調査(侵入者プロファイリング〜心理と行動③)では、約7割が侵入に5分以上かかるとあきらめ、10分以上かかるとほとんどが諦めると回答しています。
この「5分の分かれ目」が侵入されるかどうかの大きなポイントです。
こうした背景もあり、鍵を増やして侵入までの手間をかけさせる二重ロックは有効であるということが証明されています。
特に警察や国土交通省なども二重ロックを推奨しており、「鍵開けに手間をかけさせる物理効果」、「防犯意識の高さを見せる心理効果」の両面で導入メリットがあります。
シリンダーの交換方法
シリンダー交換は、複雑な作業が少ないのでDIYや鍵交換に慣れていない初心者でも気軽に行うことができます。
問題なく作業を進められると5~10分程度の所要時間で完了するでしょう。
それでは、シリンダー交換の要領について解説します。
【作業手順】
シリンダー交換を自分で行うリスクは?
シリンダーを交換で最も懸念するリスクは、シリンダー選びを間違える可能性が高い、ということでしょう。ドアの計測ミスなどで規格外のシリンダーを購入してしまう可能性もあります。
一度購入されたシリンダーは合鍵を複製されているかもしれない、という懸念もあり、鍵としての防犯性や商品価値がなくなってしまうため、購入後の返品ができません。
自分で購入した場合、間違えた部品を購入してしまったとしても返品ができないというリスクを念頭に置いておきましょう。
自力でのシリンダー交換が心配なら鍵屋に依頼する
自分でシリンダーを交換することに不安を感じているのであれば、鍵屋などの専門業者に依頼するのがおすすめです。
自分で交換すれば費用は部品代程度で済みますが、失敗時の損失費用も付き物です。
また、ドアや鍵の種類にもよって適合するシリンダーや手段も様々であるため、鍵の知識がない方は初めから鍵業者へ依頼するのも手でしょう。
鍵屋に依頼するメリット
鍵屋に依頼すれば、鍵の構造に関して熟知しているスタッフが作業を行なってくれます。
また、シリンダー交換時にどの程度の防犯性能が欲しいのか、交換のための予算はいくらなのかといった事情をヒアリングし、要望に沿った提案をしてくれます。
交換作業に慣れたスタッフが担当するので作業速度が早く、時間があまりない忙しい方にとっても鍵屋を利用するメリットは大きいでしょう。
鍵屋に依頼する費用
シリンダー交換にかかる費用の内訳は作業代+部品代です。これに加えて住んでいる場所や時間帯によっては、出張費用や夜間・早朝対応料金が加算される鍵屋もあります。
シリンダー交換 | ¥15,000~+部品代 |
シリンダーと錠前の交換 | ¥20,000~+部品代 |
シリンダー交換のみの作業費であれば、程度で、錠前から交換する場合は¥20,000程度の費用がかかります。
部品代はシリンダーの種類によっても異なりますが、刻みキーであれば¥10,000〜¥15,000程度、防犯性能が高いディンプルキーなどの高性能シリンダーであれば、¥15,000~¥30,000程度が相場となっています。
鍵屋を選ぶポイント
どの業界の業者にも当てはまることですが、鍵屋の中にも悪質な業者が存在します。
よくあるのが、正確な費用を伝える前に作業を始め、全部の作業が完了してから初めて高額な料金を請求したり、わざとお客様の希望に沿わない高額な部品を勧めてくるなどの手口です。
このような悪徳業者に騙されないためには、作業前に大まかな費用を提示し、さらに現場に来て状況確認をした上で、正確な見積書を提示する鍵屋を選ぶのが理想と言えます。
また、シリンダー交換後に不具合が発生した場合のアフターサービスや保証がしっかりしている業者は信頼できます。
シリンダー交換を鍵屋へ依頼する場合はまず見積もりを請求する
鍵屋に依頼すれば、失敗の心配もすることなく短時間で作業を完了させることができます。
しかし、鍵業者の中には、料金を水増しして案内したり、作業後に高額な費用を請求する悪徳業者も存在するので注意が必要です。
トラブルにならないように作業前に見積もりを取り、しっかり料金を提示できる業者を選ぶようにしましょう。
シリンダー交換は鍵屋キーホースへおまかせください
鍵屋キーホースは、出張専門の鍵屋です。お電話をいただけたら、プロの錠前技師が出張費無料でお客様のもとへ駆けつけます!
もちろんシリンダー交換にも対応しておりますので、お気軽にお問い合わせください。