中古マンションは鍵交換した方がいい?鍵交換の手順やおすすめの鍵を紹介!
この記事でわかること
- 中古マンションを購入した際に鍵交換が必要な理由
- 中古マンションにおすすめの鍵
- 鍵交換を自分でする方法
中古マンションを購入した際、鍵交換はした方が良いのかについて悩まれる方も多いでしょう。
「防犯上は交換した方がいいって聞くけど、なぜ必要なのか」「費用はいくらぐらいなのか」そんな疑問が浮かぶ方もいらっしゃるでしょう。
そこでこの記事では、中古マンションの鍵を交換すべき理由や自分で交換する手順、おすすめの鍵についてご紹介します。鍵交換するべきかどうか悩まれている方は参考にしてください。
目次
中古マンションは鍵を交換するべき?
賃貸物件の場合、契約時に契約金と合わせて入居者が鍵交換費用を支払い、新しい鍵に交換するのが一般的です。
中古マンションを購入する際は、前の所有者から鍵を渡されるので、鍵交換をしないまま住み続けることも可能でしょう。
そもそも、鍵の紛失や故障以外の理由で中古マンションの鍵交換は必要なのでしょうか?
鍵交換は必須!鍵交換をすべき理由
鍵交換をしないまま住み続けることも可能ではありますが、防犯面から考えると鍵交換は必須であると言えます。
中古マンションの鍵交換をすべき主な理由は以下の通りです。
前の住人と同じ鍵は防犯上よくない
前の所有者が鍵を持ったまま退去した可能性があります。物件を売却するときは、スペアキーも含めて全ての鍵を買主に渡すことになっていますが、隠し持っている可能性も捨てきれませんし、合鍵を作成している可能性も考えられます。
そのため、中古マンション購入後に鍵交換をしないと、常に自分の家の鍵を持った誰かが侵入してくるかも知れないというリスクが伴います。
そういった意味でも、鍵交換をおこない、前の所有者の鍵を使えないようにする必要があります。
古い鍵のままだと防犯性能が低い
特に築年数が古い中古マンションは、古いタイプの鍵が使われ続けていることがあります。
10~20年以上前の古いタイプの鍵は、ピッキングなどの不正解錠に対する対策がされておらず、防犯性が低いです。
また、シリンダーの耐用年数を過ぎていることも考えられます。長い間の使用による経年劣化の影響で、鍵が抜けないなどのトラブルが発生する前に、古いタイプの鍵はなるべく早急な交換が必要です。
リフォーム業者の出入りがあった
中古マンションの鍵は前の所有者だけでなく、不動産会社、リフォームやハウスクリーニングの業者など不特定多数の人が出入りしたあとに、買主に手渡されます。
悪意を持った誰かが密かに合鍵を作っている可能性もゼロではありません。漠然とした不安を抱え続けるよりは、鍵を交換してしまった方が安心です。
▼関連ページ管理会社・管理組合に連絡すべき?
中古マンションの鍵を交換する際は、必ず管理組合に連絡をしましょう。マンションによっては廊下側が共用部分であると定義されていたり、玄関ドアの見た目などの外観を気にしていることもあるので、無断で鍵を交換するとトラブルの原因になりかねません。
基本的に鍵の交換などについては、マンションの規約に記載されているので一度確認しておいてください。また、長く暮らしていると、気付かないうちに規約が変更されていることもあるので、鍵交換をする前に管理組合に確認し、指示やアドバイスを聞きましょう。
分譲マンションにおける管理会社・管理組合
管理組合は、マンションの区分所有者全員で構成される団体で、マンションの共有部分や敷地などの維持管理を担当する組織です。管理組合の行うマンションの管理業務は幅広いため、多くのマンションでは、管理業務を専門の管理会社に委託しています。
管理会社への委託方式は「一部委託」と「全部委託」の2種類があり、マンションによって契約内容は異なります。
一部委託…業務の一部を(設備点検や清掃のみ)専門業者に委託
全部委託…管理業務の大半を管理会社などの専門業者に委託
管理会社に委託をせずに、マンションの管理組合が直接、管理員を雇用する場合もあります。このように自ら管理業務を行う管理方式は、「自主管理」と言います。
管理会社が行う具体的な仕事は以下のような内容があります。
業務領域 | 詳細説明 |
---|---|
事務管理業務 | ・管理費や修繕積立金の会計業務・出納業務・予算案、決算案の作成・ 月次決算報告書の提出・管理費の未収督促業務(一部) |
管理員業務 | ・常駐または日常的な管理業務担当者・受付業務・設備点検と専門業者連絡・ごみ収集時の立ち会い・管理組合への報告連絡 |
清掃業務 | ・日常清掃(フロア、廊下、ごみ回収など)・定期清掃(カーペット、タイル、窓ガラス、外壁など) |
建物・設備管理業務 | ・建物と設備機器の保守点検・法定点検・安全性確保と稼働確認・施設に応じた点検作業 |
なお、管理組合が管理業務を管理会社に委託しても、最終的なマンション管理の主体は管理組合にあります。
区分所有者として守るべき規約
分譲の中古マンションでは、維持管理、トラブル防止のために管理規約があります。内容はマンションごとに異なりますが、共用部分の範囲や使用方法などが定められており、区分所有者が共通して遵守しなければならないルールです。
鍵交換をする際は、マンションの規約に違反しないようにしっかりと目を通しておきましょう。
▼関連ページ中古マンションでよく使用される鍵
鍵には多くの種類があり、防犯性のレベルや費用などもさまざまです。ここからは、中古マンションでよく使用される鍵についてご紹介します。
ディスクシリンダー
大手の鍵メーカー美和ロックが独自に開発したディスクシリンダーは、1957年に販売し、公団住居に採用されたことで広く普及しました。子鍵(鍵穴に差し込む方の鍵)に非対称のギザギザの山があり、差し込む向きが縦向きというところが特徴的です。
鍵穴の内部はディスクタンブラーと呼ばれるディスク形状のタンブラー(障害物)が使われています。
正しい子鍵を挿せばタンブラーがしっかりと収まり、回転させ解錠できますが、違う子鍵を挿せばタンブラーが外側に飛び出し回転できない仕組みになっています。
ディスクは安価で大量生産しやすいため、コスパが良いです。また、構造が比較的単純なため、故障しにくく、今でも古い集合住宅では使用されています。
ただし、構造が単純なため、防犯面では強力とは言えません。ピッキングなどの不正解錠に弱く、2001年に製造中止が発表されています。
ピンシリンダー
その名の通り、ピンを使ったシリンダーなのでピンシリンダーと呼ばれています。子鍵の見た目は、片方だけにギザギザの山があり、反対側は平らになっています。
鍵穴の内部はピンタンブラーと呼ばれるピン形状のタンブラーが使われています。
異なる長さのピンタンブラーが、上部に一列に配置されており、バネの力によって内側に押し込まれています。正しい子鍵を挿すとピンを正確な位置まで押し上げ解錠できますが、間違った子鍵を挿すと上のピンが回転しないように邪魔をする仕組みになっています。
ディスクシリンダーと同様に安価で作成できるため、お手頃な価格で手に入れることができます。ただ、ピンシリンダーはシンプルな構造のため、ピッキングに弱く防犯性は高くありません。
ただ、最近のピンシリンダーは、シリンダー内部にアンチピッキングピンが採用されており、ピッキング対策されているものもあります。
▼関連ページロータリーディスクシリンダー(美和ロックU9・UR)
ロータリーディスクシリンダーは、ディスクシリンダーの後続モデルです。子鍵の見た目は両側にギザギザの山があり、鍵穴は”W”のような形状をしています。
正しい子鍵を挿すことで、鍵穴内部のタンブラーの欠けた部分と、ロッキンバーと呼ばれる棒状の部分の位置が揃い、シリンダーを回転させることができます。このロッキングバーには、複数のダミーも含まれており、この複雑な構造によって、短時間でのピッキングが難しくなるように設計されています。
スペアキーの作成は比較的簡単で、ホームセンターなどで頼むことができます。ただし、複製の精度が荒いこともあり、そのまま使用し続けると、鍵トラブルが発生する可能性があるため、専門業者に依頼する方が良いです。価格もお手頃で、防犯性とコストのバランスが良い鍵と言えるでしょう。
ディンプルシリンダー
ディンプルシリンダーは、子鍵の表面と側面にクボミ(ディンプル)があるのが特徴です。ピンシリンダーに属する鍵ですが、ピッキングによる不正開錠に対する優れた防犯性を持っています。
仕組みは基本的にピンシリンダーと同じですが、ディンプルシリンダーはピンが上部だけでなく、縦横斜めなど複数の方向に配置されているため、ピッキングによる開錠は非常に難しいです。
ディスクシリンダーやピンシリンダーに比べてピッキングの難易度がはるかに高く、開錠するのに10分以上かかることもあります。空き巣などの犯罪者は、侵入に5分以上かかると諦める、もしくは最初から狙わないと言われています。
ピッキングに強いうえ、耐カギ穴壊し性能も高いものが殆どなので、ドリルで穴を開けるなどの破壊開錠にも強いです。
また、ディンプルシリンダーの中には、シリンダーの持ち主以外が勝手に合鍵を作成できない鍵(登録制シリンダー)があり、不正に合鍵を作られるリスクを軽減できるため、防犯性が高い鍵として知られています。
▼関連ページ中古マンションにおすすめの鍵
ここまで中古マンションを購入した際は鍵交換すべき理由や中古マンションでよく使用される鍵について解説してきました。
ここからは、中古マンションにおすすめの鍵をご紹介します。
美和ロックU9
美和ロックのU9は、9枚の4段変化のタンブラーとロッキングバーを備えたロータリーディスクシリンダーです。
このタンブラーはCP認定錠の基準である5分の2倍以上、つまり10分以上の耐かぎ穴壊し性能を持っており、鍵違い数も約1億5千万通りでピッキングに強く、お手頃な価格で購入することができます。
9列9枚のタンブラーと4段階変化を備えたこのタンブラーは、さまざまなキープランに対応可能で、複雑なキープランにも余裕を持って対応できます。さらに、リン青銅製のタンブラーは耐摩耗性に優れており、製品寿命が向上しています。
鍵違い数:解錠方法のパターンの数で、多いほど不正解錠が難しい。
CP認定:警察庁などによって防犯性能が高いと認められた錠。
GOAL V-18
V18シリンダーは、高いピッキング耐性を持つ鍵メーカーGOALの代表的な製品です。このシリンダーは、18本のピンが3列に配置されており、120億通りの鍵違い数となっています。
さらに、セキュリティIDカードシステムが導入されているため、第三者による鍵の不正複製を心配する必要はありません。また、リバーシブル対応のため、開閉操作をスムーズに行うことができます。このように、高いセキュリティと利便性が両立しています。
カバスタープラス
ドルマカバ社のカバスタープラスの防犯性能は世界トップクラスで、スイス銀行でも採用されているほどです。
この製品のピン配列は、5列最大26ポジションと、鍵違い数は2兆2千億通り以上という圧倒的なセキュリティを誇ります。また、ドルマカバ社の別の製品のカバエースとは異なり、認定販売店でも複製ができないようになっています。
スペアキーを作成するには、メーカーで所有者情報と発注者情報を照合する必要があります。所有者情報を登録する際に、鍵ナンバー、商品シリアルナンバー、そして暗証番号の3つが必要です。これにより、第三者によるスペアキーの作成を実質的に不可能にしています。
電子錠
電子錠とは電池の電力によって施解錠するものです。電池で駆動するため配線工事の必要はなく、既存の錠前が対応していれば後付けも可能なので、比較的簡単に取り付けが可能です。
電池で動いているため、使用頻度にもよりますが、約1~2年に一度は電池交換をする必要があり、それが面倒だと感じる方もいるでしょう。
電子錠には、指紋認証、カードキー、暗証番号、リモコン、スマートフォン、などの解錠方法があり、殆どの電子錠は、複数の解錠方法の中から選択できるようになっています。
鍵交換を自分でする方法
DIYに慣れている方であれば、鍵交換は自力ですることも可能です。ここからは、鍵交換を自分でする方法についてご紹介します。
鍵交換に必要な道具
鍵交換には、プラスとマイナスのドライバー、錠前の規格に適合したシリンダーが必要です。シリンダー交換をする場合は、錠前はそのまま使用することが多いです。
錠前:鍵と錠がセットになったもので、ドアに穴を開けてシリンダーを取り付ける部分。
鍵交換する前に確認すること
鍵交換をする前に確認する事項がいくつかあります。まずは、錠前のメーカー、型番をチェックしましょう。メーカーと型番はドアの側面にある金属板の部分に刻印されています。
また、ドアの規格を調べておかないと、適合する製品を用意することはできません。チェックする箇所は、ドアの厚み、バックセット(鍵穴の中心からドアの端までの長さ)、ラッチボルトやデッドボルトがあるフロントプレートの縦横の長さです。
ラッチボルト:ドアとドア枠を仮止めする部品。
デッドボルト:閂と同じ役割を果たす部品。
交換手順
ここからは、シリンダーを交換する方法について、彫り込み錠(ケースロック)と面付錠に分けて説明します。
彫り込み錠(ケースロック)
ケースロックは、箱型の錠ケースにラッチボルトやデッドボルトが収められ、シリンダーとドアノブが別になっています。
ドアの側面に錠ケースを埋め込み、強度や耐久性が高いため、多くの玄関ドアで採用されています。一般的にケースロックは彫り込み錠を指します。
交換手順は以下の通りです。
1.まず、プラスドライバーを使用して、扉の側面にある金属板を外します。
2.その後、マイナスドライバーかペンチを使ってシリンダーを固定しているネジを取り外します。この作業を行う際は、シリンダーをしっかりと固定した状態で行いましょう。
3.ネジを取り外したら、錠前からシリンダーを取り外します。
4.新しいシリンダーを用意し、取り付け穴の位置を確認して錠前に取り付けます。
5.その後、抜いたネジを再び差し込んで固定します。
6.最初に外した金属板をもとに戻し、取り付けが完了したら、鍵を差し込んでスムーズに回るか、ロックが確実に動作するかを確認しましょう。
面付錠
面付錠は、室内のドア面に錠ケースを取り付けます。外からは見えないためバールのこじあけに強く、集合住宅の玄関ドアなどに多く採用されています。
交換手順は以下の通りです。
1.室内側のノブを固定しているネジを外して、ノブを取り外します。
2.室内側のノブを外したら、外側のノブも外します。
3.錠ケースを固定している4本のネジを外して、錠ケースを取り外します。
4.シリンダーを固定しているネジを外して、シリンダーを外します。
5.新しいシリンダーを取り付けます。
6.その後、抜いたネジを順番に締め直していき固定します。
7.動作確認をおこない、問題なければ作業は完了です。
シリンダー交換の際は、締め出しを防ぐため、必ずドアを開けた状態で作業をおこないましょう。また、部品を壊さないように注意し、取り付けるネジをしっかり締め付けることが大切です。不確実な取り付けは鍵が回らなくなったり、解錠できなくなる原因になりますので注意が必要です。
もし作業がうまくいかない場合、無理をせず専門の業者に依頼することをおすすめします。安全かつ確実に交換してくれるので安心です。
▼関連ページ ▼関連ページ鍵交換を鍵屋に依頼した場合の費用相場
鍵屋に鍵交換を依頼した場合は、作業費とシリンダーといった部品代がかかります。作業費はシリンダー交換のみであれば¥10,000〜¥15,000程度です。
交換作業費と部品代は、取り付ける鍵の防犯性の高さに応じて高価になり、ピッキングに強いハイセキュリティーシリンダーですと、高くて¥30,000以上することもあります。
古いマンションだとエントランスにオートロックがないところもありますが、エントランスにオートロックがついていると、エントランスと連動する鍵(逆マスターキー)をメーカーに発注するので、納期は1ヵ月ほど要するうえ、手数料もかかるため交換費用も高くなる傾向があります。
▼関連ページ中古マンションの鍵交換ならキーホースへ!
中古マンションに引っ越しした際、以前の所有者が合鍵を作成している可能性や、防犯性が高くない鍵を使用しているケースもあります。
万が一の事態を避けるためにも、不安を感じる場合は、防犯性の高い安心できる鍵に早めに交換しましょう。
しかし、中古マンションの鍵交換を自分で行うのは、リスクの多い作業であり、専門の鍵屋に依頼するのが安心です。
中古マンションの鍵交換なら、ぜひ鍵屋「キーホース」へご相談ください。
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