鍵が入るけれど回らない原因は?自分でできる対処法9選や費用相場を解説!

この記事でわかること
- 鍵が差し込めるのに回らない主な原因
- 自分でできる対処法9選
- 鍵トラブルでやってはいけないNG行動
- 日常的に鍵を長持ちさせるメンテナンス方法
- 専門業者に依頼すべきタイミングと費用相場の目安
家の鍵を差し込んだのに、なぜかスムーズに回らず焦ってしまった経験はありませんか?鍵が入るのに回らないというトラブルは、玄関や勝手口はもちろん、室内ドアでも突然起こることがあり、外出時や帰宅時に大きなストレスにつながります。特に、原因がわからず無理に力を入れてしまうと、鍵が曲がったり折れたりして、さらに深刻な故障を招くことも少なくありません。
本記事では、「鍵が入るけれど回らない」状況に悩む一般家庭の方向けに、初心者でも理解しやすい言葉で原因を整理し、すぐに試せる対処法をわかりやすく解説します。また、誤った方法で鍵穴を傷めないための注意点や、どうしても改善しないとき対処法もご紹介します。
普段からできる簡単なメンテナンス方法も取り上げますので、この記事を読めば急なトラブルにも慌てず、「自分でできること」と「プロに任せるべきタイミング」がはっきり分かります。同じような症状でお困りの方は是非とも参考にしてみてください。
目次
鍵は入るけど回らない主な原因とは?

玄関の鍵が「差し込めるのに回らない」トラブルには、さまざまな原因が考えられます。まずは代表的な原因を確認しましょう。
鍵穴の汚れ・異物の詰まり
長年使っていると鍵穴内部にホコリやゴミが溜まり、噛み合わせが悪くなって鍵が回らなくなることがあります。特にディンプルキー(表面にくぼみのある鍵)は凹凸に汚れが溜まりやすいです。小石や硬貨片、乾燥した潤滑剤の固まりなど異物が入り込んで回らないケースもあります。誰かの悪戯で接着剤やガムを詰められた例もあります。
鍵穴内部の潤滑不足・サビ
鍵穴(シリンダー)内部には製造時に潤滑剤が塗られていますが、長期間の使用で潤滑成分が減って摩擦が増え、急に鍵が「引っかかって」回らなくなることがあります。また湿気などで内部がサビつくと動きが悪くなります。寒冷地では冬季に鍵穴内部が凍結し、シリンダーが動かなくなる場合もあります。
鍵自体の摩耗・変形
鍵そのものが長年の使用で磨耗し、刻み(ギザギザ)やディンプルの精度が落ちていると、内部ピンと合わず回らなくなります。金属製の鍵は無理な力が加わることで微妙に曲がってしまうこともあり、曲がった鍵では回せなくなる可能性があります。鍵の先端が欠けたり削れている場合も同様です。
合鍵の精度不良・鍵の間違い
スペアキー(合鍵)を使っている場合、純正キーに比べて微妙に精度が低く、わずかな形状の違いがピンに合わず回らない原因になることがあります。特に長期間使用した合鍵は摩耗でさらに精度が低下します。
また、鍵を複数持っていると形状が似ていて別の鍵を差してしまうミスも起こりえます。この場合鍵穴には差さるものの回らないため、まず本当に正しい鍵か確認する必要があります。
ドアや錠前のゆがみ・位置ずれ
ドア枠側の受け金具(ストライク)の位置ずれによってデッドボルト(かんぬき)がうまくはまらず、鍵が途中で引っかかって回らないことがあります。長年の開閉でドアや丁番が歪んだり、ストライクやシリンダーを固定するネジが緩んでガタつくことで位置がずれるのが原因です。ドアを開けた状態では鍵が回るのに、閉めると回らない場合はこのケースが疑われます。
シリンダー内部の故障・経年劣化
錠前そのものの寿命は一般に約10年程度と言われ、内部部品(ピンやバネ、錠ケース等)が擦り減ったりサビて不具合を起こすことがあります。部品の破損や摩耗が進むと、鍵を差し込んでも内部でロック機構が作動せず回らなくなります。このような経年劣化による故障の場合、早めにシリンダー交換など根本的な対応が必要です。
自分でできる対処法を原因別に紹介

原因が分かったら、以下の対処法を順番に試してみます。初心者の方でもできる簡単な方法から紹介しますので、無理のない範囲で対応してみてください。それでも解決しない場合や原因が特定できない場合は、後述する業者への相談を検討しましょう。
鍵が正しいか確認する
まず基本ですが、使っている鍵が合っているか確かめます。焦っていると似た別の鍵を差し込んでしまうことがあるため、複数の鍵を持っている人は要チェックです。正しい鍵でも回らない場合は次のステップへ進みます。
鍵を掃除する
鍵本体に汚れやホコリが付着していると回らなくなることがあります。古い歯ブラシや乾いた布を使って鍵の表面や溝に詰まった汚れを丁寧に落としましょう。拭き取りにはマイクロファイバークロスなど埃を絡め取りやすい布がおすすめです。清掃後、一度鍵を差し込んで回るか試します。
鉛筆の芯(黒鉛)を塗る
鍵の摩擦を減らす応急処置として、鉛筆で鍵の表面や溝をなぞる方法があります。鉛筆の芯に含まれる黒鉛が潤滑剤の代わりとなり、鍵がスムーズに回りやすくなります。
B~2B程度の濃い鉛筆を使い、鍵の凸凹や側面までまんべんなく擦り付けるのがポイントです。塗った後は黒鉛で手やポケットを汚さないよう、余分な粉を布で軽く拭き取っておきましょう。
スペアキーを試す
鍵側に問題がある場合、別の鍵で解決できることもあります。現在使っている鍵が摩耗していたり変形している疑いがあれば、手元にスペアキー(合鍵や元の純正キー)があれば使ってみましょう。
曲がった鍵を使っていた場合はスペアキーでスムーズに回ることがあります。合鍵で回らなかった場合でも、純正キーなら回るケースもあります。もし純正キーでも回らなければ鍵そのもの以外に原因があると考えられます。
鍵穴の汚れなどを取り除く
鍵穴内部の埃詰まりが疑われるときは、掃除機やエアダスターでシリンダー内部のゴミを吸い出す/吹き飛ばす方法が効果的です。玄関先で掃除機を使えるならノズルを鍵穴に当てて吸引してみてください。
エアダスターを使う場合は鍵穴に吹き付け、内部の塵を噴出させます。ただし、勢いでホコリが舞う可能性があるため屋外で作業するかマスクをすると良いでしょう。
鍵穴専用潤滑剤を使用する
掃除後も鍵が回らない場合は、市販の鍵穴専用の潤滑剤を使うのがおすすめです。ホームセンターなどで数百円程度で購入できます。スプレー缶のノズルを鍵穴に差し込み、1~2回プシュッと吹き付けます。
潤滑剤を選ぶ際は必ず「鍵穴専用」を使用してください。一般的な油(CRC5-56など潤滑油スプレーや食用油)は絶対に使用しないでください。油分はホコリと混ざって固まりやすく、かえって鍵穴内部で凝固して動きを悪化させたり故障の原因になります。
鍵穴専用スプレーはホコリを吸着しにくい成分になっています。潤滑剤を注入した後、鍵を何度か抜き差しして馴染ませてから回してみましょう。
▼関連ページドアの建付け・錠前を調整
ドアを開けた状態では鍵が回るのに、閉めると回らない場合はストライク(受け金具)の位置ずれやシリンダーの緩みが原因かもしれません。ドア枠のストライクが上下左右にずれてデッドボルトに干渉していないか確認します。ドアを少し持ち上げたり押し引きしながら鍵を回すと施錠できる場合、位置ずれの可能性が高いです。
この場合、プラスドライバーでストライク固定ネジを緩め、適切な位置にずらして再度締め直すことで改善できます。合わせてシリンダー本体や室内側のサムターン(金具)が緩んでグラついていないかもチェックし、緩んでいれば取り付けビスを締め付けます。ただし扉や錠前の調整は難易度が高い作業です。無理に加工しようとすると故障リスクがあるため、自信がない場合は業者に任せた方が安心です。
鍵穴の凍結を溶かす
真冬に気温が低い屋外で起きたトラブルなら、鍵穴内部が凍って動かない可能性もあります。その場合はドアの鍵穴部分をカイロやドライヤーの温風(延長コードが届くなら)で温めてみてください。
鍵をライターやお湯で温めてから差し込む方法もあります。ただし急激な温度変化は避け、ゆっくり解凍するよう心がけます。氷が溶ければ正常に回るはずです。冬場は鍵穴カバーを付ける、防寒スプレーを使う等の対策も有効です。
上記で改善しない場合は業者に依頼
ここまでの対処法を試しても鍵が回らない場合、内部の破損や高度な不具合が考えられます。例えばシリンダー内部のピン折れ・バネ不良、深刻なサビ付きなどは専門的な修理や部品交換が必要です。
自分で分解修理するのは困難ですし、誤って壊してしまうと被害が拡大します。鍵が折れそうなくらい固い、異物が詰まって取れない、鍵穴自体がガタガタしている等のときは、無理せず専門の鍵業者やメーカーサポートに相談しましょう。その際の費用感や依頼の目安については、次の章で解説します。
賃貸物件にお住まいの場合は、勝手に鍵を交換したり修理する前に管理会社や大家さんに相談しましょう。場合によっては修理・交換費用を負担してもらえることがあります。許可なく交換すると契約違反となる可能性もあるため注意してください。
鍵が回らないときに絶対NGな行動

鍵が回らないと焦ってしまいがちですが、以下のような行為は事態を悪化させる原因になるため厳禁です。トラブル対応に入る前に、「やってはいけないNG行動」を確認しておきましょう。
力任せに無理やり回す
焦って鍵をグイグイ捻ると、鍵が曲がったり折れたりする危険があります。実際、強引に回そうとして鍵が途中で折れ、鍵穴に折れた先端が残ってしまうケースも少なくありません。
鍵穴内部に傷が付くとシリンダーごと交換が必要になるため、絶対に力まかせで回さないでください。手応えが悪いときこそ一度手を止め、冷静に対処しましょう。
爪楊枝や細い棒を突っ込む
鍵穴のゴミを取ろうとして爪楊枝を入れるのは避けてください。木製の爪楊枝は確かに細くて入りますが、中で折れるリスクがあります。折れた先端が奥に残るとさらに厄介で、素人では取り出せません。
同様にクリップや針金を差し込むのもNGです。鍵穴内部を傷つけたり異物を余計奥に押し込む恐れがあり、結果としてシリンダーが破損して交換しなければならないという事態になりかねません。
家庭用油やスプレー潤滑剤を使う
手近にあったからといって、WD-40(潤滑スプレー)や食用油を鍵穴に差すのは絶対にやめましょう。一時的に滑らかになったように感じても、油分が埃を吸着して時間とともにネバつき、シリンダー内部で固着します。
結果として鍵穴が余計に回らなくなったり、油が酸化してサビを呼ぶ原因にもなります。メーカーも「一般的な潤滑油は使用しないでください。内部のゴミが油で固まり故障します」と注意喚起しています。潤滑が必要な場合は必ず鍵穴専用のシリンダースプレーを使ってください。
下調べせずにシリンダーを自分で分解・交換する
ネット上には鍵交換の方法が紹介されており、自分でやってみようと考える方もいるかもしれません。しかし、一般の人がシリンダーを外して部品をいじるのはおすすめできません。
細かなパーツが多く、誤組み立てですぐ不具合が出たり、防犯上の問題(取り付け不良で空回りする等)も生じかねません。分解途中で部品を紛失したり元に戻せなくなる恐れもあります。プロに任せた方が安全・確実です。
▼関連ページ鍵トラブルを防ぐ日常メンテナンスと予防策

普段から鍵を丁寧に扱い定期的なメンテナンスを行うことで、「鍵が入るのに回らない」といったトラブルを未然に防ぐことができます。以下のポイントを参考に、日頃からケアを心がけましょう。
定期的な清掃
鍵穴は少なくとも年に1回程度、エアダスターや掃除機で内部のホコリを除去しましょう。玄関先は砂埃が舞いやすい場所なので、放置すると埃の塊が溜まってしまいます。
同様に鍵(キー本体)もときどき布や使い古しの歯ブラシで汚れを拭き取ります。ポケットやカバンの中で埃や糸くずが付着している場合もあるため、差し込む前にサッと拭う習慣をつけると良いでしょう。
適切な潤滑
鍵穴の動きが渋く感じたら、鍵穴専用潤滑剤を少量補充します。月に1度…といった頻繁な必要はありませんが、半年~1年に一度程度、また梅雨時や冬場など動きにくくなりがちな時期にスプレーしておくと快適に使えます。
鍵自体のメンテナンスとして、鉛筆の黒鉛を塗る方法も定期的に行えば効果的です。鍵穴スプレーと鉛筆粉末の併用は問題ありませんが、一度でもCRC5-56等を使ってしまった場合はシリンダー内部で油と埃が固まっている恐れがあるため、専門業者にクリーニングを依頼した方が安全です。
鍵を大切に扱う
日頃から鍵を乱暴に扱わないよう注意しましょう。鍵は精密な形状で作られているため、落とした衝撃で歪んだり、硬いものにぶつけて刃先が欠けることがあります。
キーホルダーに大量の鍵や重い飾りを付けすぎると、鍵穴に差した際に負荷がかかりシリンダーの摩耗を早める原因になるので避けます。持ち運びの際はポケットに剥き出しで入れるのではなくキーケースに保管すると、汚れや変形の防止に有効です。
合鍵の管理
スペアキーを作るときは純正キーから合鍵を作製しましょう。すでに摩耗した鍵やコピー品からさらにコピーを作ると誤差が蓄積し精度が落ちるためです。
複数の鍵を併用して、特定の一本だけ酷使しないようにするのも長持ちのコツです。また10年以上使っている古い鍵は、メーカーから純正キーを取り寄せたり鍵屋で再調整してもらうことも検討してください。
少しでも異常があれば早めに対処する
「最近鍵の回りが悪いな」と感じたら、軽いうちに潤滑剤を差す、清掃するなど対処しましょう。違和感を放置するとある日突然まったく回らなくなるケースもあります。
特に冬場冷え込む地域では事前に鍵穴スプレーで防凍対策しておくと安心です。異変に早めに気付くためにも、日頃から鍵の挿抜時の感触に注意を払っておくと良いでしょう。
業者に相談すべきタイミング

自分でできる対処法を試しても解決しない場合や、原因が部品の故障・劣化によるものである場合は、無理をせず専門の鍵業者に修理または交換を依頼するのが得策です。以下のような場合はプロに相談するサインと考えてください。
DIYで改善しない/原因不明
掃除や潤滑など一通り試しても鍵が回らない場合は、内部で重大な不具合が起きている可能性があります。それ以上素人判断でいじると状態を悪化させかねません。問題の根本解決のため、早めに業者に点検を依頼しましょう。
鍵が折れた・抜けなくなった
無理に回そうとして鍵が折れたり、途中で引き抜けなくなった場合、自力での除去は難しいです。無理に抜こうと工具を入れると鍵穴を傷める恐れがあるため、緊急でもプロに連絡してください。鍵屋なら折れた鍵の除去や開錠を適切な工具で安全に行ってくれます。
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子供のいたずらや盗難防止用の細工(グルー攻撃)で鍵穴に異物が入れられた場合、自分で取り除くのは困難です。むやみに工具を突っ込むと状況悪化しますので、専門業者に内部の分解清掃を依頼しましょう。
シリンダーやドアの明らかな不良
鍵穴がグラグラして外れかけている、回そうとしてもシリンダーごと空回りする、ドア枠が歪んで調整が難しい、といった場合もプロの出番です。これらは部品交換やドア調整が必要なケースであり、素人では対処が難しい領域です。
長年(10年以上)同じ鍵を使用している
鍵が古く不調が続く場合、この機会に新しい鍵(防犯性の高いディンプルキーや電子錠等)に交換する選択肢もあります。適合する製品の選定や交換作業は専門知識が要るため、鍵業者に相談すると安心です。
鍵業者に依頼するときの費用相場
鍵業者に依頼した場合の費用も気になるところです。一般的な修理(部品交換なし)の費用相場は約8,000~20,000円程度です。例えば鍵穴のクリーニングや軽微な調整のみなら10,000円前後で収まることもあります。
一方、シリンダー交換が必要な場合は作業代+部品代がかかり、鍵の種類によって幅があります。通常のピンシリンダーやディスクシリンダーなら15,000~28,000円、防犯性の高いディンプルキーでは28,000~55,000円、電子錠だと55,000~100,000円程度と見込まれます。部品代込みの価格なので、防犯グレードが上がるほど高額になるイメージです。
夜間・早朝の緊急出動や地域によっても料金は変動しますが、概ね数万円の予算は見ておきましょう。 費用面が心配で依頼を躊躇する気持ちも分かりますが、「無理な自己修理で悪化させ結局高くついた」というケースは少なくありません。状態が深刻になる前にプロに任せた方が、結果的に安く早く解決することも多いです。
玄関の鍵トラブルは防犯上も放置できません。信頼できる鍵業者へ早めに相談し、適切な処置をしてもらいましょう。
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まとめ
鍵が差し込めるのに回らないときは、原因に応じた正しい対処が大切です。汚れや潤滑切れが原因なら清掃・潤滑で改善できることもありますし、鍵自体の問題ならスペアキーの利用や交換が有効です。
一方で無理な力や誤った処置は事態を悪化させるため避けましょう。日頃からメンテナンスを行い鍵を大切に扱うことで、トラブルの予防にも努めてください。もし自分で試せる対処法で解決しない場合や、原因が特定できないときは、早めに専門業者へ相談して安全・確実に直してもらうのが賢明です。
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