鍵穴にクレ556を使うと故障する?使ってしまったときの対処方法を解説!
この記事でわかること
- クレ556とはどんな商品?
- クレ556を鍵穴に使うとどうなる?
- 鍵穴にクレ5-56を使ってしまったときの対処法
鍵の動きや挿さりが悪いときは、鍵穴にクレ556を使用したことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
結論から申しますと、鍵穴にクレ556を使用することは厳禁です。
そこで今回は、鍵穴にクレ556を使用してしまった場合の対処法や鍵が固い、回しにくいときに使える潤滑剤をご紹介します。
早急に鍵修理を検討している人は、出張費0円・お見積り費0円のキーホースにご相談ください。
目次
クレ556とはどんな商品?
クレ556は、1962年に呉工業株式会社が販売した防錆潤滑剤です。
自動車やバイク、電動工具などの幅広い用途で性能を発揮し、お手頃な価格のため、ご家庭や車内に常備されている方も多いでしょう。
ただし、ゴムやプラスチックに使用すると劣化や変色の恐れがあるので、金属以外のものへは使わないように注意してください。
また、引火性があるため、火気や静電気が起こりやすい場所での使用や直射日光の当たる場所での保管は控える必要があります。
クレ556を鍵穴に使うとどうなる?
「鍵が回りにくい」「鍵を挿し込みにくい」といったときに、鍵穴にクレ556を使用するとどうなるのでしょうか。
ここでは、クレ556を鍵穴に使った場合に起こりうるトラブルについて解説します。
鍵穴内部に汚れが溜まりやすくなる
クレ556を鍵穴に使うと、一時的に子鍵(挿し込む方の鍵)と鍵穴の滑りが良くなり、直ったと感じるかもしれません。
クレ556に含まれる油分には、ほこりや汚れを吸着して鍵穴内に蓄積し、ドロッとした塊をつくる場合があります。
この塊が蓄積することで、鍵穴の詰まりや動作不良の原因となり、場合によっては、鍵穴が使えなくなってしまうのです。
鍵穴のトラブルについては、以下の記事にて詳しく紹介していますので、是非ご確認ください。
▼関連ページ ▼関連ページ鍵穴内部のグリース類が軟化してしまう
石油系溶剤が成分として含まれるクレ556を鍵穴に使うと、元々塗られているグリースが軟化して流れ出てしまい、鍵穴の動作不良や故障などにつながります。
呉工業株式会社の公式サイトによると、シンプルな鍵の構造をしているディスクシリンダー(子鍵を挿し込む部分の両側がギザギザした鍵)は、鍵穴にクレ556を使用しても問題ないと言われています。
しかし、複雑な鍵の構造をしているディンプルキー(子鍵を挿し込む部分に丸いくぼみがある鍵)などは、鍵が正常に作動しなくなる場合があるので使用は控えてください、とのことです。
鍵の種類について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
▼関連ページ鍵が固い・回しにくいときに使える潤滑剤
鍵穴専用潤滑剤は、錠前メーカーなどからも販売されており、ホームセンターやネットショッピングなどで購入可能です。
以下では、鍵が固い・回しにくいときに使える潤滑剤をご紹介します。
美和ロック クリアスムーサス
美和ロックのクリアスムーサスは、美和ロックのすべての鍵穴に使用できる鍵穴専用潤滑剤です。
カラカラと音がするまで容器を振って鍵穴に1秒程度吹き込み、子鍵を数回抜き挿しすると、透明なフッ素系溶液の潤滑剤が、鍵の抜き挿しや回転をスムーズにします。
ドルマカバ社 カバクリーナー
ドルマカバ社のカバクリーナーは、弊社のスタッフにも人気のクリーナーです。
ドルマカバ社の鍵穴に使用可能で、ネットショッピングで購入できます。
呉工業 ドライファストルブ
呉工業株式会社のドライファストルブは、速乾性潤滑成分のフッ素樹脂(PTFE)が入っているため、べたつかず、ホコリが付着しにくい仕様になります。
鍵穴以外にも、プラスチックや木製引戸のスライド部分にも使用可能です。
エーゼット 鍵穴用潤滑剤 キーメイト
株式会社エーゼットのキーメイトスプレーは、オイルフリーとなっており、速乾性のある高純度のボロンナイトライド(窒化ホウ素/層状セラミック粉末)が鍵の回しにくさを解消します。
0.5秒程度鍵穴に吹き込み、鍵の抜き挿しや開け閉めを行いましょう。
クレ556と鍵穴専用潤滑剤の違いは?
クレ556を使用すると、石油系溶剤が揮発(通常の温度で液体が気体になること)し、潤滑成分や防錆成分が対象面に薄い膜を作り、潤滑や防錆の効果を生み出します。
この薄い膜に粘着性があるので、ほこりや汚れと固着してしまうと、故障する原因になるのです。
キッチンのレンジフードの汚れを想像すると、分かりやすいかもしれません。
防水や撥水効果、ツヤを与えるシリコンスプレーなども、同じような仕組みになります。
一方、鍵穴専用潤滑剤は速乾性潤滑成分のフッ素系溶剤や窒化ホウ素が成分となり、オイルが含まれていない製品が多いです。
適切な量を鍵穴に使用すると、粉末状の潤滑剤によってべたつかないので、鍵穴の動きをスムーズにしてくれます。
鍵穴にシリコンスプレーを使ってはいけない理由については、以下の記事で紹介しています。併せてご覧ください。
▼関連ページ鍵穴にクレ556を使ってしまったときの対処法
先述した事情を知らずに万が一、鍵穴にクレ556を鍵穴に使ってしまった場合はどうすれば良いのでしょうか?
ここからは、鍵穴にクレ556を使ってしまったときの対処法について紹介していきます。
鍵穴専用潤滑剤を使用する
クレ556を鍵穴内部に吹き付けてからあまり時間が経過してない場合は、鍵穴専用潤滑剤を使ってクレ556の油分と汚れを洗い流しましょう。
鍵穴専用潤滑剤を使って洗い流す手順は、以下の通りです。
①鍵穴の埃や汚れを掃除機やエアダスターで取り除きます。
②鍵穴に鍵穴専用潤滑剤のノズルを入れ、約5秒程度吹き込みます。鍵穴から漏れ出てきた潤滑剤は、柔らかい布で拭き取りましょう。
③子鍵を鍵穴専用潤滑剤で洗浄し、柔らかい布で拭き取ります。
④子鍵を鍵穴に入れて、2~3回程度抜き挿しします。
⑤抜き差しがスムーズになれば、鍵を回して開け閉めができるか確認します。
鍵穴専用潤滑剤をスプレーする場合は、雨の日などは避け、シリンダー内が十分乾燥していることを確認しておきましょう。
潤滑剤が乾きにくくなり、鍵穴内で潤滑剤の粉末が固まってしまう可能性があります。
パーツクリーナーを使用する
クレ556を吹き付けてから暫く時間が経過しており、動きが固くなっている場合は、パーツクリーナーで油分を洗浄しましょう。
パーツクリーナーでのシリンダー洗浄は、錠ケース(ドア側面に掘り込まれている箱状のケース)のグリス(潤滑剤)が流れてしまい、鍵が回りにくくなる原因になるため、ドアからシリンダーを外した状態で行うのがベストです。
パーツクリーナーでシリンダーを洗浄する方法は、以下の通りです。
①鍵穴の埃や汚れを掃除機やエアダスターで取り除きます。
②ドア側面にあるフロントプレートを固定しているネジを外し、フロントプレートを取り外します。
③ドアの室外側にあるピンを外します。ピンを外す際は、シリンダー(鍵穴)が落ちないように固定しておきましょう。
④シリンダーを取り外し、柔らかい布の上に置きます。
⑤鍵穴にパーツクリーナーを入れ、鍵穴の汚れを落とします。
⑥子鍵を鍵穴に入れて、2~3回程度抜き挿しを行い、汚れが付いていないか確認します。
⑦子鍵に汚れが付かなくなり、鍵を回せるかどうか確認します。
鍵屋に分解洗浄を依頼する
クレ556を使用してから数日~2週間程度経過している場合、すでにシリンダー内部で油分や汚れが固まっている恐れがあります。
パーツクリーナーや鍵穴専用の潤滑剤を使用しても鍵がまわらないという場合は、シリンダーを取り外して分解洗浄を行う必要があります。
鍵は細かい部品も多くあるため、無理に個人の力で解決しようとすると、元通りに組み立てられない可能性が高く、鍵屋でも直せないときがあります。
鍵屋であれば、シリンダーと錠ケースのどちらも分解洗浄を行い、グリスアップ(可動部分にグリスを注入して潤滑状態を維持するメンテナンス)をすることができます。
鍵屋に鍵(シリンダー・錠前)の交換を依頼する
鍵屋に依頼しても、分解洗浄が困難な状態や、鍵穴内部の摩耗や損傷がある場合は、シリンダーや錠前(ドアに取り付けられている鍵全体の名称)を交換する必要があります。
鍵穴部分のみを交換するシリンダー交換の方が費用は抑えられますが、錠前の種類によっては、シリンダーだけの交換ができないものもあり、鍵全体を交換する錠前交換になることもあります。
鍵が回しにくい、固いといった症状は、経年劣化や異物のつまりが原因であることがほとんどです。
確かに洗浄や潤滑剤の塗布で改善されることもありますが、一時凌ぎ的な部分が大きく問題解決には至りません。
分解洗浄には保証がつかないことも多いため、鍵屋としては、できれば交換をおすすめします。
鍵穴にクレ556を使うのは厳禁!もし使ってしまったら鍵屋に相談するのがおすすめ!
本記事では、クレ556を鍵穴に使った場合のトラブルや対処法について解説しました。
上記で紹介した対処法を実践し、それでも鍵の不具合が改善しない場合は、鍵屋へご相談いただくのがおすすめです。
鍵屋のキーホースは、シリンダーや錠前の分解洗浄はもちろん、鍵交換を行うことも可能です。
出張費用、見積り費用は無料ですので、お気軽にご相談ください。