玄関の鍵が回らない原因と正しい対処方法!
「鍵をさしたのに回らない!」こんな経験はありませんか?
急いでいるときなどは焦りも合わさって、
「自力で何とかしてみよう」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
大事な家の玄関の鍵がかからないと、とても不安になりますよね。
鍵が回らない原因の中には、自力で対処可能な場合もあります。
しかし、正しい知識がないまま対処しようとすると状態をより悪化させてしまうことも・・・
この記事では鍵が回らない原因とやってはいけないこと、そして正しい対処方法をご紹介します。
目次
玄関の鍵が回らない原因
玄関の鍵は、長年使用したことによる経年劣化や、毎日の鍵の抜き差しの摩擦によりだんだんと摩耗していきます。
また、室内にある鍵穴と比べると、外に面して鍵穴が設置されているため、風に乗った砂埃や埃が入り込み、その汚れにより各所に不具合が生じてくることの多い部分でもあります。
鍵は精密に作られており、少しでもその形に変化があるとうまく機能しなくなる、繊細な一面をもつ部品でもあるのです。
そんな玄関の鍵が回らない原因は様々ありますが、ここでは以下の項目をご紹介します。
玄関の鍵はお家の安全を守る大事なセキュリティ機能です。
鍵が回らなくなる原因を知り、知識を付けることで、お家の安全を保つようにしましょう。
鍵穴が汚れている
原因の一つとして、鍵穴に異物が入り込み、鍵が回らなくなることが考えられます。
玄関は外に向かって鍵穴があるため、空気中の埃や土などのゴミが入りやすく、さらに、毎日の開け閉めで鍵を抜き差しすることにより、鍵に付着した小さなごみの混入や、鍵穴との摩擦によって削れた鍵のカスなどで、思った以上に汚れている箇所です。
このような状態のまま鍵を使用してしまうと、ごみなどの異物がより奥に詰まってしまったり、鍵と鍵穴のかみ合わせが悪くなってしまうため、定期的に鍵や鍵穴のメンテナンスが必要です。
スペアキーが合わない
鍵が鍵穴に入るけれど回らない、そんな時に一番簡単に試せる方法は、「他のスペアキーを試してみる」という方法です。
普段使用している鍵では回らず、スペアキーで鍵が回った場合は、普段使用している鍵が何かのきっかけで変形してしまったことや、長年使用することで摩耗してしまったこと、鍵を粗雑に扱ったことによる鍵の汚れが原因の可能性があります。
また、スペアキーでも回らない場合は、鍵のわずかな誤差が原因である場合があります。
スペアキーを作成した技術者の腕によっては、多少の誤差が出てしまうことがあるのです。
防犯性の高い鍵になると、より精密に作られていますので、0.1ミリ以下の誤差でも回らなくなることもあります。
なお、スペアキーを純正キー(シリアルナンバーや企業ロゴの入っている鍵)以外の鍵から複製した場合は、誤差がより大きくなる可能性は大です。スペアキーを作る時は、純正キーから複製することをおススメします。
さらに、元の鍵(シリアルナンバーのついた鍵)でもスペアキーでも鍵が回らない場合は、鍵穴の故障か錠前の故障が考えられます。
この様な場合、無理に鍵を回そうとすると鍵穴が故障してしまいますので、無理に回すことは絶対にやめましょう。
ドアがズレている
最近ドアを閉めるのにコツがいるようになったということはありませんか?
毎日、重量のあるドアの開閉を繰り返すことによって、その開閉を支える蝶番もすり減ってきます。
それがひどくなるとドア自体が傾き、錠ケース内のデットボルト(鍵をさして回すとドアの側面から飛び出てくる四角形の部分)がドアのストライクというデットボルトの受け口に当たる部分と合わなくなり、鍵が回らなくなる可能性があります。
シリンダーが緩んでいる
シリンダーとは、鍵穴の部分のことをさします。
シリンダーが緩む原因は、長年の使用による劣化や、シリンダー自体が何かの衝撃によって変形してしまっていること、また、シリンダー内部のネジや部品に不具合がおこっていることが考えられます。
シリンダー内部は外から確認できない箇所でもありますので、10年以上使用している場合は、不具合を感じなくてもシリンダーを交換されることをおススメします。
外側も内側も鍵が回らない時は鍵屋を呼ぶ
外側から鍵をさしても内側から鍵を回そうとしても、どちらからも鍵を回せない場合は、自力で対処することは難しいため、鍵屋に鍵の修理や交換を依頼されることをおススメします。
鍵と鍵穴の構造は複雑な作りをしているため、自力で対処しようとすると、かえって悪化させてしまう可能性があります。
玄関の鍵が回らない時にやってはいけないこと
鍵に不具合が生じた場合、自力で改善しようと、様々な方法を試す方も多いかもしれません。
お家の大事なセキュリティである鍵の故障は、心理的に焦りや不安なども生み出しやすく、知識のないまま行動してしまう可能性があります。
鍵の状態をそれ以上悪化させないためにも、正しい知識を得ておくことが大切です。
ここからは「玄関の鍵が回らない時にやってはいけないこと」をご紹介します。
無理やり鍵を回す
鍵に不具合を感じながら鍵を回してしまう方も多いかもしれません。
しかし、無理に鍵を回してしまうと、鍵が変形したり、鍵が折れて抜けなくなってしまったり、鍵穴周りの部品が故障してしまうため、不具合を感じた時は無理に回さないようにしましょう。
鍵穴に専用の潤滑剤以外の油を入れる
鍵の滑りをよくしようと、むやみに食用油や市販の潤滑剤などを注入してしまうと、鍵穴内部で埃が吸着しやすくなり、吸着したものが固まって鍵が使えなくなる恐れがあります。金属用のクレ556も、鍵穴に使用するのはやめましょう。
鍵穴には必ず鍵穴専用の潤滑剤を使用しましょう。
鍵穴に爪楊枝や針金を差し込む
鍵穴に異物(砂や小石など)が入っていた場合、それを取り出そうと、
爪楊枝や針金などを鍵穴にさし込んでしまうと、シリンダーに傷がつき、鍵と鍵穴のかみ合わせが悪くなり、鍵が差し込めなくなってしまいます。
玄関の鍵が回らない時の正しい対処方法はコレ
玄関の鍵が回らないと何とか自力で対処しようとしてしまいがちですが、誤った知識で自己対処してしまうと、さらに状態を悪化させてしまうことになります。
そのようなことにならないためにも、ここからは「鍵が回らない時の正しい対処方法」をご紹介します。
まずは鍵と鍵穴の掃除
キー本体が汚れたら柔らかい布で拭きましょう。
キー本体は、毎日持ち歩きするため知らず知らずのうちにギザギザ部分や凹凸部分に汚れがたまっている可能性があります。
汚れがひどい場合は使い古した歯ブラシなどを使用してある程度汚れを落としてから、柔らかい布で拭きましょう。
キー本体がきちんと乾いてから鍵穴にさすようにしてください。
鍵穴の内部は複雑な作りになっているため、エアダスター(パソコンのキーボードを掃除するスプレー)でゴミを吹き飛ばしたり、掃除機を使用して内部を掃除します。
鉛筆を使って滑りを良くする
鍵の滑りが悪くなって鍵が回らなくなっている場合、一過性にはなりますが、鉛筆を使って対処することが可能です。
鉛筆の芯に含まれる黒鉛は金属の滑りをよくする効果があるため、鍵の溝・くぼみの部分に鉛筆の芯を塗り込んでいきます。
そして黒鉛を塗り込んだ後、鍵穴に鍵を何度かさしてなじませると、滑りが良くなり、鍵が回りやすくなります。
鉛筆は濃い方が黒鉛がたくさん含まれているので、B以上の鉛筆を使用するとより効果的ですが、効果は一時的ですので、滑りをよくするには専用の潤滑剤がおススメです。
鍵専用の潤滑剤を使う
鉛筆で滑りをよくしても、効果は一過性で、鍵専用の潤滑剤を使用すれば、効果はより長続きします。
【潤滑剤】を探せば様々販売されていますが、鍵には鍵専用の潤滑剤が販売されています。
「3.2.鍵穴に油を入れる」でもご紹介しましたが、潤滑剤以外のものを使用してしまうと更なる不具合をおこしてしまいますので、必ず専用のものを使用しましょう。
また、潤滑剤を使用する時は、使用前に掃除機やエアダスターで鍵穴内部を掃除しておきましょう。
鍵穴に水分があると、ゴミを吸着しやすくなり、鍵が回りにくくなりますので、潤滑材を使用する時は鍵穴が乾燥した状態で使用すると安心です。
鍵屋に修理を頼む
上記でご紹介した対処方法でも改善しなかった場合は、鍵穴が劣化している可能性が高いです。
鍵の寿命は10~15年と言われており、定期的なメンテナンスで長持ちする場合もありますが、使用年数が長ければ寿命を迎えてしまったと考えられます。
鍵の老朽化は防犯面の低下ともいえますので、空き巣などの被害に合う前に、鍵屋に修理を依頼されることをおススメします。
玄関の鍵が回らないトラブルを防ぐ対策方法
では、鍵が回らないトラブルを防ぐにはどうすればよいのでしょうか。
事前に対策方法を知っておくことで、日ごろ鍵から発せられるわずかなサインを受け取ることができ、防犯対策を維持することができます。
突然の不具合や故障であわてることのないよう、万全の対策をとっておきましょう。
定期的にメンテナンスをする
いざというときに「鍵が回らない!」というトラブルをおこさない為には、定期的に鍵と鍵穴を掃除しましょう。
「鍵が汚れたら柔らかい布で拭く」 「エアスプレーや掃除機で内部のゴミを除去する」
これらを定期的に行うことで鍵の異変に気付くこともでき、突然のトラブルも引き起こしにくくなります。
ドアをバターンと強く閉めない
ドアを豪快に閉めてしまうと、錠前に影響し、鍵全体が故障してしまいます。
特に鍵穴内部は精密にできている為、ドアを勢いよく閉めることを繰り返すとその衝撃が重なり、鍵穴内にズレが生じ、結果、鍵が回らないことに繋がります。
普段からドアの開閉を気を付けて行うことで、鍵が回らないトラブルを防ぐことができます。
ドアノブに重い物をぶら下げない
ドアノブに負荷をかけ続けると、錠前がズレてしまったり、ドアノブが上がらなくなってしまい、ドア自体がゆがんでしまう原因となります。
【1.3.ドアがズレている】でもご紹介したように、ドアのゆがみ(ズレ)は鍵が回らない原因となりますので、日ごろからドアノブに重いものをぶら下げることはやめましょう。
鍵が古い場合は交換時期!鍵を交換しよう
長年使用してきた鍵は劣化している可能性があり、鍵の劣化が進むと防犯機能も悪くなることから、空き巣などの犯罪に巻き込まれる可能性も高くなります。
使用年数が10年以上の場合は鍵を交換しましょう。
最近の住宅では、キーの表面に複数のくぼみがあるディンプルタイプが主流になってきています。
こちらはピッキングが難しく、複製もされにくいため家のセキュリティを高めることにもつながります。
鍵が回らない時のまとめ
「玄関の鍵が回らなくなった原因とその正しい対処方法」についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
鍵はささるのに回らない、そんな状況になったときは、無理に回すことはせず、正しい知識のもと対処するようにしましょう。
また、自力での対処が難しい場合は、鍵の専門家である鍵屋に依頼することも大切です。
そして、そんなトラブルを未然に防ぐために、日ごろからメンテナンスしておくことも重要な対策ですね。
鍵は私たちの生活に必要不可欠な存在です。
突然の不具合に慌てないためにも、日々のお掃除に鍵のお手入れも加えてみることで、より安心安全な日常生活を送ることが出来るでしょう。