鍵がささらないのは何が原因? 自分で試せる対処法を鍵屋が解説!

この記事でわかること
- 鍵が入らなくなる主な原因と、それぞれの仕組み
- 自宅で手軽にできる掃除や潤滑の具体手順
- やってはいけない誤った対処法とそのリスク
- 日頃から続けられる予防メンテナンスのコツ
- 専門業者に頼るべきタイミングと選び方のポイント
この記事では、「鍵がささらない」トラブルの原因を解説し、自分でできる解決策から注意点、予防策、専門業者への依頼タイミングまで幅広くお伝えします。突然鍵が入りにくくなると焦ってしまいますが、大抵は原因を突き止め、正しい手順で対処すればスムーズに解決できます。
鍵がささらなくてお困りの方は是非とも参考にしてみてください。
目次
鍵がささらない主な原因
鍵が鍵穴に入らなくなる原因はいくつか考えられます。内部に汚れや異物が詰まっているケース、鍵そのものの摩耗や変形、合鍵の精度不良、気温変化による金属の膨張・収縮、さらにはシリンダー内部の機械的故障などです。ここではそれぞれのポイントを詳しく解説します。

鍵穴に汚れや異物が詰まっている
鍵穴は屋外に面していることが多く、ほこりや砂、小さなゴミなどが入り込む場所です。長期間メンテナンスを怠ると、鍵を差し込んだ際に内部の微細な隙間にゴミが引っかかり、鍵がスムーズに進まなくなります。特に雨風で運ばれた砂埃や、室内から持ち込まれたホコリがシリンダー内部に堆積すると、鍵の溝とピンが正しく噛み合わず、わずかな引っかかりで動かなくなることがあります。
また、古い建物や経年劣化した鍵穴では、金属の錆が生じる場合もあります。錆びついたシリンダーは鍵のすべりを大きく妨げ、さらに摩耗を加速させます。定期的なクリーニングや、専用の鍵穴クリーナー(エアダスターなど)を利用して内部のゴミを吹き飛ばすことが有効です。ただし、掃除機のノズルで無理に吸引しようとすると、内部の小さな部品まで引き込んでしまう恐れがあるため注意してください。
鍵の摩耗・変形・劣化
鍵は金属製であり、日常的に抜き差しを繰り返すことで徐々に摩耗していきます。特に古い鍵や質の低い合金製の鍵は、溝の部分が少しずつ平らになり、シリンダー内のピンとの噛み合わせが不十分になります。その結果、鍵を差し込んだ際にピンが正しい位置まで押し上げられず、途中で引っかかってしまうのです。
また、何らかの衝撃で鍵が曲がったり、鍵先端の形状が微妙に変形した場合も要注意です。鍵穴に入れる角度がわずかにずれるだけで、内部で引っかかりが生じて詰まってしまいます。特に冷たい朝や夜間は金属が収縮しやすくなり、摩耗や変形の影響が顕著に現れやすい時期です。鍵の摩耗が疑われる場合は、別の鍵(スペアキー)や新しい鍵で試すことで原因を切り分けることができます。
合鍵の精度不良
合鍵は原鍵をもとに作られるため、作製時のミスや型取りの精度によっては溝の深さや幅が微妙にずれてしまうことがあります。合鍵の精度が悪いと、鍵穴に差し込む際にスムーズに入らず、途中で引っかかる、あるいは最後まで回せないといったトラブルにつながります。
特に、一部の量販店やネット通販で安価に提供されている合鍵は、専用のマシンではなく汎用カッターで加工される場合があり、原寸大に切り出せていないケースもあります。合鍵を作った業者に再度問い合わせ、精度の高いレーザー刻印方式などで再作成してもらうのが確実です。合鍵を複数持っている場合は、原鍵と比較して溝の感じや鍵先端の形状を目視・触覚でチェックしてみましょう。
温度変化による金属の膨張・収縮
金属は気温や湿度の変化によって膨張・収縮を繰り返します。特に冬場は金属が収縮しやすくなり、鍵穴の内部クリアランスが狭くなってしまうことがあります。逆に夏場の高温時は一時的に膨張して隙間が広がりますが、極端な温度差が続くと金属疲労を招いて微細な歪みが生じ、鍵の差し込みが困難になる場合があります。
この現象は屋外に面した鍵穴で顕著に現れやすく、特に早朝や夜間は温度がもっとも低くなるため、日中は問題なくても朝晩だけ鍵が入らないといったトラブルが発生します。気温差が激しい時期は、鍵穴専用のカバーや雨風が直接当たらない場所への設置を検討すると良いでしょう。
シリンダー内部の機械的故障
シリンダー内部には複数のピンやスプリング、小さな部品が組み込まれており、これらのいずれかが折れたりずれたりすると正常な動作ができなくなります。たとえば、内部のピンが折れて引っかかる、スプリングがへたってピンが戻らない、ウェッジがずれて回転できないなど、症状はさまざまです。
機械的故障は自力での対処が難しく、無理に力を加えると内部部品をさらに痛めて取り返しのつかない事態になる恐れがあります。故障を疑う場合は、無理に掃除や潤滑を行わず、専門の鍵業者に点検・修理を依頼することをおすすめします。業者によっては内部クリーニングや部品交換で復旧できるケースもあります。
鍵がささらないときに自分でできる対処方法

鍵がささらない原因がわかったら、まずは自分でできる簡単な対処を試してみましょう。工具や専門知識が不要な方法を中心に、手軽に実践できる掃除や潤滑、鍵そのもののメンテナンス手順をご紹介します。順番に試していくことで、シリンダー内部と鍵両方の問題を切り分けられ、無駄な出費を抑えられる可能性が高まります。
鍵穴を掃除する
鍵穴に入り込んだ埃や汚れは、まずエアダスターで吹き飛ばすのが効果的です。ノズルを鍵穴の奥深くに差し込み、短く断続的に圧縮空気を噴射して微細なゴミを排出しましょう。掃除機を併用する場合は、ノズル先端を鍵穴付近に密着させ、小さなゴミまで吸い取るようにします。
ただし、強い吸引力で内部部品まで引き込まないよう注意し、掃除機は弱~中設定で行うのが安全です。掃除後は鍵を軽く抜き差しして、内部の滑り具合を確認します。
シリンダー専用潤滑剤を吹きかける
鍵穴に汎用スプレーを使うと内部のゴム部品やプラスチックが痛むため、必ず鍵専用の潤滑剤を使用してください。シリンダーの鍵挿入口に細いストロー付きノズルを差し込み、ピンやバネ周りに一吹きます。
潤滑剤が行き渡ったら鍵を数回ゆっくり回しながら抜き差しして、油膜を内部に広げます。潤滑剤は月に1~2回、定期的に行うと錆や汚れの再付着を防ぎ、スムーズな動作を長持ちさせることができます。
▼関連ページ鍵自体の洗浄と乾燥・グリスアップ
鍵の溝に汚れが詰まるとシリンダーへ滑らかに入らないため、鍵本体もメンテナンスしましょう。中性洗剤を薄めたぬるま湯に鍵を浸し、歯ブラシで丁寧に溝の汚れを落とします。その後、錆びやすい部分を乾いた布でしっかり拭き、完全に乾燥させます。
乾燥後は鍵の溝全体にごく薄くシリンダー用グリスを塗布し、ウエスで余分な油分を拭き取ってください。これにより鍵の挿入時の抵抗が大きく減り、ピンとの噛み合わせが改善されます。
合鍵を試してみる
スペアキーを複数持っている場合は、原因の切り分けとして別の鍵で試してみましょう。元の鍵で入らなかった場合でも、別の合鍵がスムーズに動くケースがあります。これにより「鍵本体の問題」か「シリンダー側の問題」かが判断でき、適切な対処に役立ちます。
もし別鍵で問題が解消すれば、その鍵を日常的に使い、入手性の高い合鍵作製を検討してください。合鍵でも症状が変わらない場合は、次のステップである専門的対処や業者依頼を検討しましょう。
鍵がささらないときの間違った対処法と注意点

鍵トラブルを自己解決しようとして、かえって状況を悪化させるケースがあります。ここでは、よくある誤った対処方法とそのリスクを解説し、安全に解決するための注意点をまとめます。
無理に力をかけて抜き差ししない
鍵が引っかかるからといって、強引に押し込んだり引き抜いたりすると、鍵先端やシリンダー内部のピン・パーツが破損する恐れがあります。部品が折れたり噛み合いが崩れたりすると、最悪の場合、鍵自体がシリンダー内に折れ残り、より複雑な修理が必要になります。
特に夜間や寒冷時は金属が硬くなっており、より壊れやすくなるため、無理な力は絶対に避け、次の手順へ移るか業者へ連絡しましょう。
鍵穴専用以外の潤滑剤を使用する
家庭用の多目的潤滑スプレー(クレ556やシリコンスプレーなど)は、一時的に滑りを良くしますが、内部のゴムシールやプラスチック部品を痛める成分が含まれていることがあります。これらを鍵穴に吹き込むと、長期的には部品の劣化を招き、隙間に油汚れがこびりついて逆に鍵の動きを悪くする原因になります。
必ず「鍵専用」「ロック専用」と明記された製品を選び、使用後は余分な油分を軽く拭き取るなど、正しいメンテナンスを心がけてください。
誤ったDIY工具の使い方による部品破損
ピン抜きツールや細いドライバーを使って内部をかき回すと、シリンダー内部の細かな部品がずれたりキズがついたりして、正しく動作しなくなることがあります。特に、工具の先端が斜めに入るとピンやウェッジを傷つけやすく、修復困難な損傷を引き起こすため要注意です。DIYで内部を開ける場合は、鍵専門の工具セットを使用し、手順を正確に守るか、無理と判断したらすぐに専門業者へ相談しましょう。
鍵がささらなくなる前にできる予防策

鍵トラブルを未然に防ぐためには、日頃からのメンテナンスと状態チェックが重要です。ここでは、工具や専門業者を使わずに簡単に行える手順を中心に、トラブルを起こさないための習慣をご紹介します。
定期的に鍵穴をクリーニングする
鍵穴に埃やゴミがたまるのを防ぐには、月に一度程度、エアダスターや専用クリーナーで内部を軽く吹き飛ばすのが有効です。エアダスターを30cmほど離して数秒ずつ噴射し、その後に鍵を抜き差しして残ったゴミを排出します。
湿気の多い季節や花粉シーズンには週に一度行うと、微細なゴミの付着を抑えられます。掃除後は必ず鍵穴周りの外観もチェックし、錆びや傷みがないか確認してください。
定期的に潤滑剤を使用する
潤滑剤は鍵の動きを滑らかに保つだけでなく、内部に付着した汚れを浮かせて排出しやすくする効果もあります。月に一度、「鍵専用」と明記されたスプレーを1~2回、鍵穴に噴射し、そのまま鍵を数回抜き差しして油膜を内部に行き渡らせます。
使用後はウエスで余分な油分を拭き取り、外側に油だれや汚れが残らないようにしましょう。汎用スプレーは避け、必ず鍵穴専用潤滑剤を選ぶことが長持ちのコツです。
精度の高い合鍵を使用する
合鍵を作る際は、レーザー刻印方式など高精度な加工機器を使用する業者を選ぶと、鍵穴とのフィット感が高まります。原鍵を持参したうえで、溝の深さや幅が原寸大に近いかを業者に相談し、微調整を依頼すると安心です。
また、複数本作成する場合は、それぞれ試し挿しをして動作を確認し、不具合のあるものは依頼元で手直ししてもらいましょう。精度の良い合鍵は、鍵穴への負担を減らすため長期的なコストダウンにつながります。
シリンダーの寿命チェックと交換タイミング
一般的にシリンダーの耐用年数は約5~10年とされますが、使用頻度や環境により前後します。抜き差しの感触が悪くなった、通常より力が必要になったと感じたら要注意です。目視でシリンダー外周に錆や大きな傷がある場合や、鍵の抜き差しで引っかかりが頻発する場合は、交換時期のサインと考えましょう。
交換作業は専門業者に依頼するのが確実ですが、事前にメーカー保証や保証期間を確認しておくと費用の負担を抑えられます。交換タイミングを逃さず、新品シリンダーで安全性を維持しましょう。
専門業者への依頼が必要なケースと費用相場

自力での対処を試しても鍵がスムーズに動かない場合や、シリンダー内部の機械的故障が疑われるときは、早めに専門業者への依頼を検討しましょう。無理に自己修理を続けると、鍵やシリンダーにさらにダメージを与え、費用も時間も膨らむリスクがあります。
ここでは、「どんなときに業者に頼るべきか」「実際にかかる費用目安」「業者選びのポイント」を順に解説します。
プロに依頼すべき目安とメリット
自力でのメンテナンスや掃除を行っても鍵穴の引っかかりが改善しない場合や、鍵先端がシリンダー内で折れて残ってしまった場合は、すぐにプロに依頼すべきサインです。内部のピンやバネが脱落・破損していると、自力での応急処置が逆に状況を悪化させる恐れがあります。
専門業者は専用工具でシリンダーを分解し、内部部品のクリーニングから必要な部品交換まで一貫して対応できるため、再発リスクを最小限に抑えられます。交換が必要なときも、最適な部品の提案から取り付け、動作確認までを安全かつスピーディーに行ってくれるのが大きなメリットです。
鍵開け・鍵修理の費用相場
サービス内容 | 費用相場 |
非破壊での鍵開け | 5,000~10,000円 |
シリンダー分解清掃 | 8,000~15,000円 |
部品交換を伴う修理 | 10,000~20,000円 |
シリンダー交換 | 15,000~30,000円 |
※緊急対応や天候、遠方出張の場合は追加料金が発生することがあります。見積もり時に必ず深夜・早朝・休日対応の有無と料金を確認してください。
▼関連ページ業者選びの5つのポイント
鍵トラブル解決の満足度を左右するのは業者選びです。まず、見積もりの際に基本料金や部品代、時間帯追加料金などが明確に提示されるかを確認しましょう。次に、緊急時に「○○分以内に到着」と具体的な対応スピードを公表しているかどうかが重要です。
信頼性については、創業年数や国家資格の保有状況、実績件数をチェックし、口コミ評価が高い業者を優先すると安心です。アフターサポートとして、作業後の保証期間や再作業の無料対応などがあるかも見逃せません。
最後に、自宅がサービスエリア内か、遠方料金が発生しないかを必ず確認し、複数拠点のサポート体制がある業者ならより柔軟に対応してもらえます。これらを押さえることで、安心かつコストパフォーマンスの高い鍵サービスを受けられます。
▼関連ページ鍵がささらないトラブルのよくある質問

鍵トラブルに直面すると「どこまで自分で対処できるのか」「専門業者には何を頼めばいいのか」など、疑問が生じやすいものです。ここでは、潤滑剤の選び方から業者依頼の目安、クリーニングだけで解決しない場合の対処法まで、ユーザーが抱えがちな質問に答えます。
潤滑剤を使っても大丈夫?
鍵穴に潤滑剤を使う際は、必ず「鍵専用」と明記された製品を選びましょう。家庭用の多目的スプレー(クレ556など)にはシリコンや溶剤が含まれ、シリンダー内部のゴムシールやプラスチック部品を痛める恐れがあります。
専用潤滑剤は内部のピンやバネに優しい成分で構成されており、金属同士の摩擦を抑えつつ汚れを浮かせて排出しやすくします。使用後は余分な油分を拭き取ることで、内部に油汚れが蓄積するのを防ぎ、長期的にスムーズな動作を維持できます。
自分で直せない場合、どの業者に頼めばいい?
自己メンテナンスで改善しない場合は、鍵の専門業者に依頼しましょう。選ぶ際は、まず見積もりが書面やメールで詳細に提示されるかを確認します。
次に、緊急対応時の到着目安(例:30分以内)が公表されているか、創業年数や国家資格の有無、実績件数が公式サイトで示されているかどうかをチェック。アフターサポートの有無や保証期間も安心材料になります。これらを満たした業者であれば、技術力と信頼性の両面で満足度の高い対応を受けられます。
鍵穴クリーニングだけで改善しないときは?
鍵穴のクリーニングや潤滑を行っても依然として鍵が引っかかる場合は、シリンダー内部の機械的要因が疑われます。内部ピンが折損している、スプリングが不具合を起こして戻らない、もしくは深刻な錆びや摩耗によってピンが固着している可能性があるため、自己流のケアでは対処が難しいです。
このようなケースでは、無理に続けて作業すると部品破損や鍵折れのリスクが高まるため、速やかに専門業者に点検・修理を依頼してください。
▼関連ページまとめ
鍵がささらないトラブルは、汚れや異物付着、鍵本体の摩耗・変形、合鍵の精度不良、温度変化や内部故障など多岐にわたる原因が考えられます。まずは清掃と潤滑、鍵本体の洗浄・乾燥など自分でできる対処を試し、合鍵での切り分けを行いましょう。
誤ったDIYは二次被害を招くため、専用潤滑剤以外の使用や過剰な力は避けてください。定期的なメンテナンスで予防し、問題解決が困難な場合は、見積もりの明確さや対応スピード、国家資格の有無などを基準に専門業者を選びましょう。適切な対応で、安心・安全な鍵環境を維持してください。
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