防犯対策におすすめの鍵は?侵入手口別の対策も紹介
この記事でわかること
- 侵入窃盗の手口について
- 侵入を防ぐ防犯対策
- おすすめの鍵や防犯グッズについて
- 防犯性の高い鍵へ交換したい場合は鍵屋へ依頼
「空き巣や強盗に侵入されないか不安」
「防犯対策をしたいけど、なにをしたら良いかわからない」
このようにお悩みの人は多いのではないでしょうか。
住居への不法侵入は大半が玄関や窓から。侵入の手口を知り、適切な対応をすることで自宅の防犯性は格段に向上します。
この記事では、侵入の手口や有効な対策、防犯性の高いおすすめの鍵などについて詳しく解説しています。
目次
窃盗侵入の手口
令和4年における住宅を対象とした窃盗侵入の発生件数は1万5,692件でした。これは一日当たり約43件という数字です。
侵入経路としては、戸建てでは窓が最も多く、マンションなどの共同住宅では玄関からの侵入が最多となっています。
戸建て | 共同住宅(3階建以下) | 共同住宅(4階建以上) | |
窓 | 53.5% | 40.7% | 24.5% |
表出入口 | 21.3% | 47.3% | 60.7% |
非常口 | 0.1% | 0.1% | 0.1% |
犯人は具体的にどうやって侵入するのでしょうか。
代表的な手口を紹介します。
ピッキング
鍵穴に特殊な工具を挿し込んで操作し、施錠された鍵を解錠する方法です。
ピッキングというと特殊な技術のように思うかもしれませんが、素人でも習得は不可能ではなく、慣れれば短時間で鍵を開けられてしまいます。
防犯性の高い鍵はピッキング対策が施されていますが、古い鍵などは対策がされておらず、ピッキングに弱い鍵も存在します。
サムターン回し
サムターンとはドアの内側にある、鍵を施錠するためのつまみです。サムターン回しは外側から特殊な工具などを使って不正にサムターンを回し、ドアを開ける手法です。
具体的には、以下のような手口があります。
- 扉のドアスコープを外し、そこから特殊な工具をいれてサムターンを回す
- 郵便受けをバールなどで破壊して、そこから腕や工具をいれてサムターンを回す
- ドリルで扉に穴を空けて、そこから特殊な工具を挿し込みサムターンを回す
- ドアとドア枠の間に工具を入れて、隙間から室内側のサムターンを回す
無締り(むじまり)
無締りはその名の通り玄関ドアや窓などに鍵をかけていないことです。
侵入窃盗の手口では、戸建て、マンションともに無締りが最も多い割合となっています。
合鍵
盗む、または勝手に作製するなどで不正に入手した合鍵を使い侵入する手口です。元交際相手や友人による犯行のほか、前の住人が合鍵を作っていたというケースも。
純正の鍵にはメーカー名と鍵番号が刻印されており、この鍵番号があればネットショップなどでも合鍵が作製できてしまう可能性があります。
こじ破り
こじ破りはマイナスドライバーを窓ガラスと窓枠の間に打ち込み、ガラスを割る手法です。
窓の鍵(クレセント錠)付近を破壊して、割れた穴から手を入れて開錠します。
窓ガラスを割るといってもこじ破りではそれほど大きな音は発生せず、短期間で破壊できることから、侵入手口として使われることの多い手段です。
また、こじ破りはドアに対しても行われることがあります。ドアとドア枠の間にバールなどを打ち込み、てこの原理でドア錠を破壊して強引にこじ開けます。
焼き破り
焼き破りは、バーナーやライターなどを使って窓ガラスを加熱した後、水やスプレーで一気に冷却することで、激しい温度差により窓ガラスを割る手法です。
ハンマーなどで割る場合と違い破壊時に大きな音が出ず、特殊な道具や難しい技術がなくても短時間で窓ガラスを破れるため、近年焼き破りによる住宅への侵入窃盗が増えています。
焼き破りへの対策は窓ガラスだけでなく、ドアに対しても必要です。
ガラスの装飾が入った玄関扉や、大きな窓ガラスがついた勝手口など、ガラスであれば窓と同様に破壊され、そこから腕を入れたり工具を入れたりして開錠される恐れがあるためです。
侵入を防ぐ防犯対策
住宅への侵入手口はさまざま。一つですべてを防ぐ防犯対策は存在せず、それぞれに対策をしていく必要があります。
ここからは、それぞれの侵入手口に有効な防犯対策を紹介します。
ピッキング対策
鍵穴に特殊工具を入れて解錠する「ピッキング」に有効な対策は以下のとおりです。
防犯性の高い鍵に変える
ピッキングによる侵入を防ぐには、ピッキング対策が施された防犯性の高い鍵への交換が有効です。
「防犯性の高い鍵」と「防犯性の低い鍵」についてはこの記事の後半で紹介しているので、自宅の鍵を確認し、交換が必要かどうか検討してみてください。
補助錠をつける
補助錠とは、防犯性を高めるためにメインの鍵のほかに取り付ける鍵です。
種類によっては工事不要で簡単に取り付けられるので、手軽に防犯性を高められます。
1つのドアに鍵を2つ設置する「ワンドアツーロック」は国土交通省の防犯設計指針でも推奨されている有効な防犯手法。
2つの鍵を開錠するには単純に倍の時間がかかり
、さらに2つの鍵で「防犯意識の高い家」という印象を与えられるため、侵入をあきらめさせる効果も期待できます。
ドアガードを防犯性能付きのものに交換する
ドアガードは玄関ドアの内側についている、ドアが完全に開かないようにするための設備です。
ドアバーやU字ロック、ドアチェーンなどさまざまな形態がありますが、本来の機能は訪問販売員や宗教の勧誘などを玄関に入れないためのもので、防犯性能自体は低めです。
しかし、ドアガード中には鍵付きの製品も販売されており、施錠することで外からの不正解錠を防げる侵入防止対策として活用できます。
ドアガードの交換はDIYでも可能ですが、構造によってはドリルによる穴あけが必要な場合もあるため、不安な人は鍵の専門業者に依頼しましょう。
サムターン回し対策
外から不正にサムターンを回す「サムターン回し」に有効な対策は以下のとおりです。
防犯サムターンに変える
既存のサムターンを外側からの不正開錠対策が施された「防犯サムターン」に変えることによってサムターン回しの難易度を高め、空き巣の侵入を防げます。
防犯サムターンにはさまざまな種類があります。
スイッチ式サムターン:
スイッチ式サムターンは、サムターンのつまみ部分にボタンがついており、ボタンを押しながらでないとつまみが回せないためサムターン回しでの開錠は困難です。
脱着式サムターン:
脱着式サムターンは、サムターン部分を取り外せる仕組みになっています。
つまみを回すためには内側にサムターンを取り付けてから回す必要があるため、サムターン回しでの開錠は困難です。
また、外出する際は内側から解錠状態にしたあとサムターンを取り外し、外に出てから鍵をかけることで、サムターンを取り外した状態で施錠できます。
空転式サムターン:
空転式サムターンは、空転モードにするとサムターンを回してもクルクルと空転して解錠ができません。
外出する際は室内側から空転モードにして外から施錠をすることで、外出時もサムターン回しによる不正開錠を防ぎます。
偏荷重サムターン:
偏荷重サムターンはつまみに均等に負荷をかけないと開けられない仕組みです。サムターン回しでは外側から特殊な工具を挿入し、サムターンの片側に荷重をかけて回すため、重心が片寄って開錠できません。
卵型サムターン:
サムターンが卵型になっており、外側から工具を差し込んで不正開錠しようとしても引っかかりがないため、サムターンを回せません。
サムターンカバーをつける
シンプルな対策ですが、サムターンにカバーを取り付けることでサムターン回しを防ぐ方法です。
サムターンカバーは比較的安価で手に入り、簡単に取り付けられるため、手軽にできる防犯対策です。
目隠し板をつける
目隠し板は、ドアに設置されている郵便受けの内側に取り付けられ、郵便受けから腕や工具を入れるサムターン回しを防止します。
サムターンカバーや補助錠など、ほかの対策と組み合わせて使用するとより効果的です。
脱着式インナー錠をつける
脱着式インナー錠は、不正開錠の対策として玄関の室内側に取り付ける鍵です。
室内側も鍵穴になっており、内側に鍵が装着された脱着式のサムターン部を差し込むことで施錠・開錠を行います。
サムターンを取り外しておけばサムターン回しで開けることはできません。
無締りの対策
近所のコンビニへ行くなどのわずかな時間でも空き巣に入られる可能性があります。
外出時は必ず施錠をするように心がけましょう。
玄関の鍵をオートロック機能付きの電子錠に交換するのもおすすめです。
合鍵侵入対策
オリジナルキーに刻印してある鍵番号を他人に知られると、不正に合鍵を作られる危険があります。
オリジナルキーにカバーをつけたり、シールで鍵番号を隠すなど、人に見られない工夫をしましょう。
また、オリジナルキーを紛失すると拾った人に合鍵を作製される可能性があります。
鍵があとから見つかったとしてもその間に合鍵を作られているかもしれないため、なるべく早くシリンダーを交換することをおすすめします。
こじ破り・焼き破り対策
窓を破壊して鍵を開ける「こじ破り」や「焼き破り」の対策は以下のとおりです。
防犯ガラスに取り替える
ガラスとガラスの間に特殊なフィルムが挟まれている防犯ガラスは、割れにくくて破壊に時間がかかるため侵入をあきらめさせる効果があります。
防犯ガラスの中には熱に強く、焼き破りに時間がかかる「耐熱強化ガラス」もあります。
防犯フィルムを貼る
防犯フィルムは窓ガラスの表面に貼ることで防犯ガラス同様に破壊耐性をあげて、侵入を防ぐ効果があります。
フィルムの素材によっては耐熱性も高く、焼き破り対策にも効果的。
ただし、一度貼ると簡単には剥がせないため、賃貸物件の場合は事前に管理会社に確認が必要です。
防犯フィルムはホームセンターなどでも販売されていますが、中には強度が不十分で防犯性が低いものもあります。
防犯性を重視する場合は、「侵入手口に対して5分以上耐える防犯性」を証明する「CPマーク」のついた認定商品を選ぶと良いでしょう。
ただし、防犯フィルムがCP認定の防犯性を発揮するには、所定の貼り方や接着剤、有資格者による施工といったものが必要です。
また、施工時にガラス面に吹き付ける施工液がしばらく残るため、約1ヶ月程度(冬場は3ヶ月程度)は防犯効果がない期間(養生期間)があります。
窓用の補助錠をつける
窓用の補助錠を設置することで侵入の難易度を上げられます。
補助錠は工事不要で簡単に取り外しができるため、賃貸住宅にもおすすめです。
シャッターや面格子を取り付ける
窓にシャッターや面格子を取り付けることで窓を破られるのを防げます。
トイレや浴室など、換気のために開ける必要があるところには面格子の設置がおすすめです。
シャッターは強度もあり防犯性は高いですが、シャッターが閉まっていると家が留守なのがわかってしまうというデメリットもあります。
防犯性が低い鍵は交換が必要
鍵の種類によってはピッキング対策がされておらず、防犯性が低いものもあります。
自宅の鍵を確認し、以下のような鍵が使われている場合はより防犯性の高い鍵へ交換をおすすめします。
ディスクシリンダー
鍵の両側にギザギザがついている鍵で、昔から広く日本の住宅で採用されてきた鍵の一つです。
しかしシンプルな構造のためピッキングしやすいという弱点があり、現在は廃盤になっています。
ピンシリンダー
鍵の片側がギザギザになっているタイプの鍵です。
ピンが一列に並んでいる単純な構造で、安価な反面ピッキングに弱く、防犯性は低めです。
現行の型ではピッキング対策が講じられており防犯性は向上していますが、耐破壊性は低いという弱点があります。
防犯性が高いおすすめの鍵
玄関の鍵を不正開錠が困難な防犯性の高いものに交換することで、自宅のセキュリティを高めることができます。
とはいえ鍵は種類が多く、どれでも防犯性が高いというわけではありません。
ここからは防犯性が高いおすすめの鍵を紹介します。
ディンプルキー
ディンプルキーは鍵の表面にくぼみがあるのが特徴で、非常に複雑な構造でピッキングに強く、高い防犯性を誇ります。
ギザギザの鍵に比べて折れにくいなど、耐久性も高めなので長く安心して使えます。
ディンプルキーのくぼみは精密に作られているので合鍵作製の難易度も高く、第三者に不正に複製されるリスクは低めです。
ロータリーディスクシリンダー
鍵の両側にギザギザがついている鍵です。
ロータリーディスクシリンダーはディスクシリンダー錠の改良型で、ピッキングに強く、高い防犯性を持ちながら価格は比較的安めという、コストパフォーマンスの良さが特徴です。
電子錠
電子錠は電気を使って施錠・解錠をする鍵で、カードを使って解錠するものや指紋認証、暗証番号などさまざまなタイプがあります。
防犯性が高めですが、電池切れや停電、災害時など電気がないと使えないというデメリットもあります。
〈電子錠の種類〉
- リモコン式
- 暗証番号式
- 指紋認証
- タッチキー式
- スマートロック
スマートロックは玄関錠に後付けすることで、サムターンをスマートフォンで遠隔制御し、施錠や開錠、オートロックを実現します。
工事不要で取り付けられるので、賃貸物件でも設置可能。これまで使っていた鍵穴もそのまま使用できます。
逆にいえば、鍵穴はなくならないためピッキングで開けられるリスクは残ることになります。
ほかのタイプの電子錠は施工時に鍵穴を抜いてしまうためピッキングされる心配はありません。
また、スマートロックは通常Bluetoothを使ってサムターンを遠隔制御しますが、Bluetoothの圏外(10m程度)に出てしまうと制御ができません。
Wi-Fiハブがセットになっているモデルであれば、自宅のWi-Fiとスマホを連携させて、外出先でも入退室管理や外出先からの施解錠等制御が可能。ただ、古い機種でハブがセットではなかった場合は、別途購入する必要があります。
鍵以外におすすめの防犯グッズ
鍵以外にも、家のセキュリティを高められるおすすめの防犯グッズを紹介します。
人感センサーライト
人感センサーライトは人が近づくと感知して点灯するライトです。
侵入口となり得る玄関や窓、死角の多いベランダなどに設置することで、暗闇に紛れて侵入しようとする犯人を照らし、撃退する効果が期待できます。
防犯ブザー
防犯ブザーには窓ガラスへの衝撃に反応する「衝撃検知型」や、窓が開かれたときに反応する「開放検知型」など、さまざまなタイプがあり、侵入者に対して大きな音で威嚇します。
衝撃検知型の中には強風などで窓が揺れただけでも誤作動してしまうものがあるため、センサーの感度を調整できるなど、誤作動が少ない製品を選びましょう。
防犯砂利
防犯砂利は、歩くと大きな音がなる砂利です。
一戸建ての敷地などで使用されますが、マンションでの効果のほどは限定的ですし、管理規約違反になる可能性が高いので使用しないようにしましょう。
防犯砂利はガラス製や天然石、瓦などさまざまな種類があり、見た目もオシャレなものが数多くあります。
ガラス製は軽量なので女性にも扱いやすいというメリットがありますが、軽すぎて強風などで飛ばされてしまう可能性もあるため注意が必要。心配な場合は天然石や瓦などの素材を選ぶと良いでしょう。
防犯対策の注意点
防犯対策をするときは、以下の2点に注意しましょう。
防犯性能の高め過ぎには注意が必要
空き巣対策に防犯性能を高めるのは重要なことですが、セキュリティを強化しすぎると万が一鍵を紛失したとき、鍵屋でも解錠できないということになってしまいます。
鍵屋がピッキングやほかの方法で開けられなければ、鍵やドアを破壊して開けるしかありません。
鍵を紛失したり閉め出されたときのことを考えて防犯対策をした方が良いというわけではありませんが、万が一の場合は破壊して開錠という手段を提案される可能性があることを頭に入れておきましょう。
賃貸住宅では勝手に鍵交換しない
賃貸住宅の場合、無断で玄関錠を交換してしまうと規約違反になり、自費でまた元の鍵に戻さなければならなくなるなどトラブルになる可能性があります。
鍵交換をする場合は必ず事前に大家さんや管理会社に連絡し、許可を得るようにしましょう。
防犯性の高い鍵への交換は鍵屋キーホースへ!
自宅の防犯性を高めるにはより防犯性の高い鍵への交換や、補助錠の設置が有効です。
鍵交換は自力でもできますが、より確実に施工するならプロの専門業者に依頼するのがおすすめ。
鍵屋キーホースは玄関錠や補助錠、窓用の鍵など、あらゆる種類の鍵交換・設置に対応可能。
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