ホームセンターで玄関鍵を購入!鍵交換で失敗しない選び方や費用を解説
この記事でわかること
- 交換用の鍵の選び方
- 鍵交換に必要なもの
- 鍵交換の手順
- DIYでの鍵交換でよくある失敗
「ホームセンターで鍵を購入して自力で交換できる?」
「ホームセンターの鍵って安全性は大丈夫なの?」
玄関の鍵交換についてこのようにお悩みの方は多いのではないでしょうか。
カインズやコーナンなどの大型ホームセンターで鍵を購入し、DIYで交換することは可能です。
ただし、自宅のドアに適合する正しい鍵を選ばないと購入しても取り付けられなかったり、施工を誤るとドアが開け閉めできなくなることも。
この記事を読めば、ホームセンターでの鍵の選び方や交換方法、交換にかかる費用、そしておすすめの鍵タイプなどがわかります。DIYで鍵交換を検討している人はぜひ参考にしてください。
目次
ホームセンターの鍵の安全性は大丈夫?
ホームセンターに売っている鍵は、実はプロの鍵業者が卸売業者から仕入れている鍵と何ら変わりありません。
ただし売っているものは同じでも、すべての商品が防犯性に優れているというわけではないため、ホームセンターで購入する場合は自分で見極めて購入する必要があります。
鍵をなくしてしまった場合や鍵が回しにくい、といったトラブルだけでなく「防犯性の高い鍵に交換したい」といったご要望も、ホームセンターで鍵のシリンダー(鍵穴)を購入し、自分で交換することで解決できます。
ただし、故障が原因でしっかりと施錠・解錠ができないという場合は、故障箇所によっては錠前全体を交換しなくてはならない可能性があります。シリンダーだけではなく、錠前を含む交換はDIYの難易度がグンと上がるので、鍵屋へ相談することをおすすめします。
DIY鍵交換の5つの難関
ホームセンターで玄関鍵を購入してDIYで交換すれば部品代だけで済むため、費用を抑えられます。ただし、無事交換を完了するにあたって、5つの難関があります。
- ドアと錠ケースに適合する鍵を間違えずに購入しなくてはならない(鍵は防犯的な懸念から返品不可)
- 適合する鍵がホームセンターで売っていないことがある
- 防犯性が高い鍵かどうか自分で判断しなくてはならない
- DIYに失敗すると、鍵の施錠・解錠ができなくなる怖れがある
- 不完全な施工では防犯性が確保できず、不法侵入される可能性がある
特に自宅のドアとそこに掘り込まれた錠ケースに合う鍵を正しく選ぶ、というのが一番の難関です。
すべての箇所の寸法を正しく測り、メーカーや型番などを確認して適合する鍵を購入しなくてはならないため、「間違えて購入してしまい取り付けられない」という鍵屋への相談は後を絶ちません。
シリンダーは購入すると合鍵を作成できてしまうという防犯上の理由から返品ができません。誤って購入すると部品代が丸々無駄になってしまうため、自信がない人は最初から鍵屋に交換を依頼することをおすすめします。
▼関連ページ ▼関連ページ交換する鍵の失敗しない選び方
ホームセンターに行く前に自宅の鍵を確認し、どのシリンダーなら互換性があるか調べます。
ドアに錠ケースが掘り込まれているケースロック(箱錠)の場合、下記をしっかりと調べておきましょう。
掘り込みのケースロックとは?
掘込錠かどうかはドアの側面に金属製のプレートや閂がついているかどうかでわかります。
ドアの側面にこれらがある場合は、ケースロックと呼ばれる箱型の錠ケースがドアの中に埋め込まれています。
ドアの側面に何もない場合は、面付錠である可能性が高いです。
鍵のメーカーと型番を調べる
ドア(開き戸)の側面にあるフロントプレートに刻印されているメーカーと型番を確認します。
例)MIWA(メーカー名:美和ロック) LA・MA(型番)
刻印がない場合はサッシメーカー独自のものかもしれません。ドアにサッシメーカーやブランド名が書かれたシールが貼付されていないか確認してみましょう。ドアのブランド名などから対応するサッシメーカー用のシリンダーがわかることもあります。
▼関連ページ各寸法を測る
寸法を測る箇所は開き戸か引き戸かによって変わります。
この寸法を正しく計測しないと、新しい鍵を購入しても自宅のドアに適合しない可能性があります。自信がない人は無理してDIYにこだわらず、鍵屋に依頼しましょう。
開き戸の計測箇所
開き戸の場合は下記の4箇所の寸法を計測します。
- ドアの厚み
- フロントプレートの長さ、幅
- フロントプレートの上ネジから下ネジまでの長さ(ビスピッチ)
- シリンダー(鍵穴)の中心からドアの端までの長さ(バックセット、BSとも表記される)
ドアとドア枠の隙間が見えないようにガードプレートがついている場合、そのままだと厚みが測りにくいため、ドアの側面ではなく、下から厚みを測りましょう。
引き戸の計測箇所
引き戸の場合は玄関ですと召合せ部分に錠前がついた引き違い戸が多いと思われますので、召合せ錠用に下記の5箇所の寸法を計測します。
- 戸の厚み
- 2枚の戸の隙間の距離(チリ)
- 室外側の錠前カバー(外部化粧座)の長さと幅
- 室内側の錠前カバー(内部化粧座)の上ネジと下ネジまでの長さ(ビスピッチ)
- 切り欠き穴(鍵が埋め込まれている穴)の長さと幅
ホームセンターに売っているおすすめの玄関鍵
自宅の玄関鍵を調べたら、合う鍵をホームセンターで購入しましょう。
現在玄関についている鍵と全く同じものであれば交換作業がスムーズですが、長いあいだ使用してきた鍵であればシリンダーが古い可能性が高いので、互換性のあるシリンダーを探し、できるだけ防犯性の高いものを選びましょう。
玄関鍵のシリンダーには以下のような種類があります。
ピンシリンダー錠:子鍵(差し込む鍵)の片方にのみギザギザがあるタイプ。安価だがピッキングに弱いタイプもある。
ディスクシリンダー錠:子鍵の両側にギザギザがある。現在は廃番になっている古いシリンダーで、ピッキングに非常に弱い。
ロータリーディスクシリンダー錠:ディスクシリンダーの後継種で、子鍵の両面にギザギザがあるのは変わりないがシリンダーの防犯性が大変高くなっているのが特徴。それでも専用マシンや技術のある鍵屋であれば複製による合鍵作成もしやすいため、子鍵を紛失した時は不正に複製されるリスクが高い。
ディンプルシリンダー錠:ピンシリンダー錠の発展形のシリンダーが多く、多方向から多数のピンタンブラーを並べることで複雑で短時間での不正解錠はほぼ不可能と言われている。複雑なシリンダー構造にあわせて子鍵の表面には丸い凹みがたくさんある。子鍵の複製も困難で、専用マシンが必要。高い防犯性を誇るが、その分価格も高め。
おすすめはディンプルシリンダーです。ピッキングに強く非常に高い防犯性があり、所有者登録制のシリンダーであれば第三者が勝手に合鍵を作ることもできません。
鍵屋に交換を依頼するメリット
自力での交換が不安な人はプロの鍵専門業者に依頼しましょう。鍵屋に依頼するメリットは以下の通りです。
- 選べる鍵の種類が豊富
- 交換作業をすべて任せられるので手間がかからず楽
- 施工が正確で迅速(即日対応も可能)
- 防犯性や耐破壊性能、費用など、希望にあった鍵を取り付けてくれる
- 今の鍵と同じものを取り寄せてもらうこともできる
- 鍵のプロに安全でおすすめの鍵を提案してもらえる
鍵屋に依頼することで費用はかかりますが、鍵が身の安全や財産を守る重要なセキュリティであることを考えると、費用分の効果は十分にあるといえるでしょう。
鍵交換の費用相場
ホームセンターで鍵を購入しDIYで交換する場合と、鍵屋に鍵交換を依頼する場合、それぞれの費用相場をまとめました。
DIYする場合の費用:シリンダーによっては1万円以下
シリンダーの種類によって価格は異なり、複雑で防犯性の高い鍵ほど価格も高くなります。
ですので、安価なものは防犯性能が並程度であると考えた方が良いでしょう。コストを下げることは可能ですが、そのぶん防犯性能が犠牲になります。
ピンシリンダー | 5,500円~11,000円程度(税込) |
ロータリーディスクシリンダー | 11,000円~22,000円程度(税込) |
ディンプルシリンダー | 16,500円~27,500円程度(税込) |
鍵屋に依頼する場合の費用:作業費と部品代で2万円~
鍵屋に依頼する場合、鍵交換費用の内訳は「作業料金」と「部品代」です。
業者によってはここに出張費や深夜早朝料金が含まれることもあります。
出張鍵屋の多くは鍵交換の固定作業料金として11,000円ほどかかるようです。これに加えて、部品代がかかりますが、シリンダー価格はホームセンター同様、そのシリンダーの防犯性能によって変わります。
複雑な構造で、防犯性能も高く、合鍵が登録制になっているシリンダーが最も高額です。
作業料金:11,000円~+部品代:5,500円~35,000円 |
※鍵の種類によって作業費が変動することもあります。
DIYでシリンダーを交換する手順
ここからは、DIYで鍵交換する際の一般的な手順を解説していきます。
用意するもの
- 新しいシリンダー
- プラスドライバー
- マイナスドライバー
- ペンチ(ラジペンでも可)
- 小物を入れるケース(ビス紛失防止用)
作業前に注意すること
- 玄関先での作業でビスを落とすと紛失する可能性が高いため、小物入れなどを用意して紛失しないよう注意しましょう。
- 電動ドライバーだと強く締めすぎてしまい、ネジ山が潰れる場合があるので、手動での作業がおすすめです。
- 作業は必ず扉を開けた状態で行います。作業中はドアストッパーなどを使いドアが閉まらないように注意しましょう。
交換作業中に扉が閉まった際、中でラッチ(側面にある三角の突起)が回転してしまうと扉が開かなくなる危険があります。
作業手順
※ピンを抜くときは、シリンダーが落下しないように手で押さえながら行いましょう。マイナスドライバーの代わりにペンチでもピンを抜くことができます。
問題がなければ作業は終了です。
引き違い戸の鍵交換の手順
先述したとおり、引き戸にも鍵の種類はいくつかありますが、今回は2枚の扉が重なる部分にある「召し合わせ錠」の交換手順を解説します。
用意するもの
- 新しい鍵
- プラスドライバー
- 小物を入れるケース(ビス紛失防止用)
作業前に注意すること
- 引き戸には大きく分けて2種類の鍵があります。
購入する際や交換する際は間違えないようにしましょう。
戸先錠:文字通り戸先(把手の近く)についている鍵
召合せ錠:2枚の戸が重なる中央部分にある鍵
- 切り欠き穴が長方形になっていない場合(片側が丸いなど)は加工作業が必要になります。
作業手順
ビスを緩めた際に外側の鍵が落下して傷つかないように、鍵の両側を押さえながら作業しましょう。
- 外側にビスがあるとドライバーで簡単に鍵を外されてしまうため、ビスは基本的に室内側から締めるように設置します。
- あとから鍵の高さを微調整するので、この時点では本締めせず、緩めに仮締めします。
- 鍵の上下を間違えないように注意してください。ロゴマークなどをみて向きを確認しましょう。
- 2枚の戸の隙間の距離(チリ)に合うように、付属の部品(エスカッション)を使って調整しましょう。
こちらもあとから調整するので仮締めです。
室内側と室外側の鍵の高さがピッタリ合っていないと鍵を締められません。内側の鍵のビスの下辺りにピンを挿し込める小さな穴があり、設置位置が合っていれば内側の鍵から外側の鍵までピンを突き通せます。ズレているとピンが途中で止まるので、調整しながらピンが通る位置を探します。
DIY鍵交換でよくある失敗
自分で鍵を交換する際に、よくある失敗をまとめました。
同じような失敗をしないように注意しましょう。
寸法を間違えて交換できない
DIYの鍵交換では自分で必要な寸法を計測しなくてはなりません。
慣れていない人だと正しく測れず、間違えたサイズの鍵を購入してしまうことがあります。
計測するポイントをしっかり押さえ、正しい鍵を購入しましょう。
ビスを紛失した
玄関先での作業になるため、ビスを落として側溝などに転げ落ちてしまったり、道路に転がっていったりして紛失してしまうことがあります。そうなると単純に作業が続けられなくなってしまいますし、汎用ネジが使えるとも限らないので再びシリンダーを購入することになります。
作業時にはビスを入れる小物入れなどを用意しましょう。
ドアが開かなくなった
作業中にドアが閉まってしまい、中でラッチが回転して閉まってドアが開かなくなってしまうこともあります。作業時にはドアストッパーを使うなど、ドアが閉まらないように注意しましょう。
賃貸物件の鍵を許可なく交換してしまった
賃貸物件の鍵を交換する際は、必ず管理会社や大家さんの許可を得るようにしましょう。
無断で鍵交換をしてしまうと契約違反で交換費用を請求されるなど、のちのちトラブルに発展することもあるため注意が必要です。
もし既に許可なしで交換してしまったという場合は、事後報告でも良いので大家さんや管理会社に玄関の鍵交換をしたことを伝えましょう。
そして退去するときは交換した鍵をどうすれば良いのか、ということも確認しておきましょう。原状回復のためにもとに戻してほしいと言われることもありますので、交換した古い鍵などは捨てずに保管するようにして下さい。
防犯性の低い鍵を買ってしまった
安価だったから、今の鍵と全く同じものだったから、ということで購入した鍵があとから調べてみると実は防犯性能の低いものだった、という可能性もあります。
特に安価だから、という理由でシリンダーを選んでいる場合、ピンシリンダー錠を選択していることもあります。
最近のピンシリンダー錠はちゃんとピッキング対策もされており、過去のもののような防犯性能ではありませんが、もし現在の玄関にディンプル錠がついているとしたら、値段につられてディンプル錠より防犯性能の低い錠に交換してしまったことになります。
確かに鍵は今ついているものと全く同じものを購入すれば交換作業も楽になるのですが、いま家の玄関についている錠前が使用年数20年以上のものだとしたら、それと同一の鍵は漏れなく防犯性能が低いでしょう。
特に引き戸用の召合せ錠などは古い鍵と同じものですと、古いピンシリンダー錠やディスクシリンダー錠である場合もあります。
ディスクシリンダーはピッキングしやすい鍵として有名になり、メーカーも廃番にして久しい錠ですが、稀に在庫として店舗に残っていることがあるのです。
シリンダー以外の部分に鍵穴専用ではない潤滑剤を使ってしまった
シリンダー交換の最後に必ずしなくてはならないのが動作確認です。
しかし、その際にラッチやデッドボルトの動きが良くないからといって機械用の潤滑剤を吹き付けてしまわないように注意しましょう。全てが無駄になってしまいます。
ラッチやデッドボルトといったかんぬきの部分は「錠ケース」という扉に掘り込まれた、錠前のメインボディとも言える部品に繋がっています。
ここに機械用の潤滑剤などを吹き付けると、ラッチなどを通じて油分を含んだ液体が錠ケースに流れ込み、粉塵やホコリを吸着してだんだんと動きが悪くなります。
錠ケースの場合は分解洗浄が難しいことも多く、手遅れになりがちです。ラッチなどにシリコンスプレーやクレ5-56などを吹き付けてしまったあと、動きが固くなってきたらすぐに鍵屋に相談して下さい。
確実に素早く鍵を交換するなら鍵の専門業者へ
鍵交換はホームセンターに売っている鍵でも問題なく、自力での交換が可能です。
ただし、寸法などを全て自分で調べて適合する鍵を間違えずに購入するのは、DIY好きの人でもややハードルが高いです。
手っ取り早く確実に、防犯性の高い鍵を取り付けたい場合は鍵屋に相談するのが一番です。
鍵の専門業者「キーホース」は年中無休、熟練のスタッフが最短15分で現場に駆けつけ、その場で鍵交換に対応します。出張料・見積もり料は無料。金額を確認した後でキャンセルしてもキャンセル費用などは発生しません。
鍵交換でお困りの際は、お気軽に「キーホース」へお問い合わせください!